営業職において、労働に対する生産性を上げるにはず営業に行く前の下準備、ひいては社内の体制が重要です。お客様のニーズをうまく掴むだけでなく、部署内での協力体制が整っているかどうかによって、生産性は大きく変わってきます。

労働生産性とは

労働生産性とは、文字通り「労働に対して、どの程度効率よく生産できたか」という意味です。工場などの製造業では、1時間ごとにどのくらいの製品を作ることができたのか、数字でわかりやすく見ることができます。

しかし、営業の場合はそうはいきません。週ごと・月ごとの契約件数や売上の数字を見ているだけでは、真の労働生産性がわかりにくくなります。これは、人事的な評価を下す上でも陥りやすいミスです。

生産性を向上させる目的とは

生産性を向上させる目的は売上や成績を上げるためだけではありません。それも大きな目的ですが、もう一つ意義があります。離職率を下げ、会社の安定した体制を保つことです。

一時的に職場の全員が無茶をして生産性を上げても、体を壊して離職者が増えてしまったら、また人材確保や育成から始めなければならなくなります。また、離職までとはいかなくても、評価が不当であるばかりに従業員のモチベーションが失われてしまえば、やはり生産性を保つことは難しくなります。

それらを防ぐには、現状にどんな改善点があるのかを知ることから始めましょう。

生産性を上げるためには、まず「分析」から

労働生産性という言葉の意味と、「なぜ上げなければならないのか」という目的が出てきたところで、次に考えるべきなのは、指標をどこに置くか、そのために何をすべきかを分析することです。
長い間、同じ会社や同じ部署で働いていると、同じ方法を続けることに疑問を持ちにくくなります。そういった日常の光景を分析するところから、労働生産性の向上が始まると言っても過言ではありません。

営業生産を向上させる方法

では、いったいどのような点に気をつければ、営業における生産性が上がるのでしょうか。4つのポイントに分けて考えてみましょう。

時間を管理する

労働生産性を向上させる上で、まず重要になるのが、時間を管理することです。

無駄なことに時間をかけていないか、そのせいで時間をかけるべきところがおろそかになっていないか、細かく見てみましょう。ほんの少しの時間が積み重なって、膨大なタイムロスが生まれているケースも珍しくありません。ただし、休憩まで削ると、かえって労働生産性を低くすることに繋がります。適度に休憩して効率を上げることで、従業員のモチベーションと労働生産性を両方上げることになるでしょう。

時間を管理する上で、SFA(業務管理ツール)を導入するのも一案です。SFAツールは営業管理を目的としたツールですが、営業分析としても機能します。そのため、これまで労力をかけていた営業分析の手間が省けます。

知識やノウハウを共有する

どこの職場でも、営業成績トップを常に独占している人や、テキパキと仕事をこなしている人がいるでしょう。例えばAさんが苦手なことでも、Bさんは大得意ということもります。うまくやれている人には、その人なりのノウハウやコツが存在しているケースが多々あります。

それぞれが得意とする分野のノウハウを共有することで、社内全体の生産性向上に繋がります。

ツールを導入する

インターネットが普及する以前の時代では、連絡手段といえばまず電話やFAXでした。しかし、現在のビジネスマナーでは、電話は必ずしも最善の連絡方法とはいえません。「きちんと言ったかどうかが後でわからなくなるから、重要なことはメールで残すように」というスタンスの企業も多く存在します。FAXにしても、何らかの理由で届いていない可能性がゼロではありません。

このように、「今まで使い慣れていたツールが、生産性向上や確実性において、常に最善である」とは限らないのです。ときには使用ツールを見直す・入れ替える・新しく導入するのも、労働生産性の向上に繋がります。

また、ツール自体は有用でも、使い方が間違っている、あるいは非効率的になっているために、真の力を発揮できていないということもあります。一度導入して終わりにせず、正しく使えているかどうか、時にはマニュアルを見直したり、他の人に確認する癖をつけましょう。

ツール導入による生産性向上は、総務省が発表した「通信利用動向調査」からもわかります。この調査では、クラウドサービスを利用している事業者を、していない事業者を2010年から2016年までで比較すると、利用している事業者は一貫して生産性が高いことが報告されています。[注1]

[注1]総務省|平成30年版 情報通信白書|ICTソリューションの生産性への貢献
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd131220.html

営業プロセスの改善

日々行っている営業プロセスの中にも、見直すべき点が見つかることがあります。SFAなどのツールを導入し、視覚化することで気づく問題もあるでしょう。

また、転職を経験した方の場合、「前の会社のやり方が全く通用しない」「なぜこ会社は、こんなやり方をしているんだろう?」といった、戸惑いを感じたこともあるのではないでしょうか。ときには思い切って、営業に関する改善提案や疑問を、話しやすい同僚や上司に持ちかけてみましょう。それを受けて、相手からさらに良いアイディアが出てくるかもしれません。

生産性という指標を、部署内や社内団結のきっかけにしよう

生産性や生産率、指標などというと、どうしても難しく考えがちです。「そんなことが簡単にできたら、苦労なんてしないよ」と思う人もいるでしょう。しかし、「三人寄れば文殊の知恵」ということわざがある通り、多くの人が少しずつ意見を出し合い、より良い方法を模索することが大切です。

生産性向上という共通の指標を持つことで、部署や会社の問題が解決し、結束が強まった結果、従業員が定着し、その結果目的を達成することができた、という流れに持っていけるよう、工夫を重ねていきましょう。