日々の営業活動の指針として、必要なのが「営業戦略」です。

しかし、

「うちの会社も営業戦略を掲げているけれど、有効に機能していない」
「成果につながる営業戦略を立てるには、どうすればいいのだろう?」

そんな悩みや疑問を持っている担当者も多いのではないでしょうか?

実は、成果を上げる営業戦略を立てるには、以下の5つのステップを踏む必要があります。

1)市場やターゲットがおかれている環境の調査・理解
2)自社の営業現状を数値化・分析
3)営業課題の把握・明確化
4)コアコンピタンスの把握
5)戦略の立案

つまり、状況や課題を客観的に理解し分析して、それを元に戦略を立てるというわけです。

もし、データにもとづかずにイメージや理想だけで戦略を立てた場合、マンパワーや資金が不足したり、顧客のニーズとズレが生じたりと、どこかで無理が出てきてしまいます。

そんな失敗に陥らないよう、売り上げに貢献するよい営業戦略を立てたいですよね。

そこでこの記事では、営業戦略の立て方5ステップを詳しく説明していきます。

また、その際に留意すべき3つのポイントもお伝えします。

この5ステップを知って、あなたの会社の業績を向上させることのできる営業戦略を考えましょう!

1 営業戦略を立てる前に知っておくべきこと

営業戦略の立て方を論じる前に、まず「営業戦略とは何なのか」について共通認識を持っておかなければなりません。

営業戦略を立てる意味と目的について、考えてみましょう。

1-1 営業戦略の目的

そもそも、なぜ営業戦略が必要なのでしょうか?
営業戦略を立てる目的とは何でしょうか?

それは、「企業のビジョンを達成するため」です。

企業にはそれぞれ、「将来的にはこういう企業になりたい」というビジョンがあるはずです。

「業界シェアNo.1企業になる」
「地域活性化のリーディングカンパニーになる」
「常に新しいライフスタイルを提供し続ける」

などの目標を掲げます。

それを達成するのが、「営業戦略」の役割です。

つまり「営業戦略」をひと言で表現すると、「企業のビジョンを達成するための方針・シナリオ」なのです。

例えば「シェアNo.1を目指す」というビジョンに対して、想定される進路は、

「マーケティングを強化して、徹底的に顧客ニーズに応える」
「コストを見直し、低価格・高品質の商品を提供する」
「自社が得意とする分野に集中して、他社との差別化を図る」

など、無数にあります。

その中からひとつの方向性を決定し、さらに「どうやってその道を進んでいくのか」というアプローチ方法、プランを中長期のスパンで考えます。

これがあなたの会社の「営業戦略」となるのです。

1-2 営業戦略と営業戦術との違い

営業戦略を立てる際に、ひとつ絶対に押さえておかなければいけないポイントがあります。

それは、「営業戦略と営業戦術とは違う」ということです。

営業戦略は、企業のビジョンを叶えるための指針であるのに対して、「営業戦術」は「指針に沿った具体的な作戦、施策」です。

以下の図を見てください。

このように、ビジョンを達成するために戦略があり、戦略を実践するために戦術があります。

例えば、

◾️ビジョン:
業界シェアNo. 1を目指す

◾️営業戦略:
新しい市場の開拓→販路拡大、新規顧客増大→3年以内に売り上げ2倍増

◾️営業戦術:
既存の大手顧客への接触をメールマガジン配信などで効率化し、その分のリソースを新規顧客獲得に回す

といったイメージです。

この「具体的な作戦・施策」を「営業戦略」だと勘違いしている人が、実は多いのです。

が、中長期の戦略がないままに短期的な戦術だけで動くのは、地図を持たずに未開の地に踏み出すようなものです。
うまくいかなかった時に、どちらを向いて道を修正すればいいのか、わからなくなってしまいます。

逆に、進む道を示してくれる戦略があれば、施策が成果を上げられない場合には、戦術を変更して新しい作戦で挑めばよいわけです。

「戦略なき戦術に勝利なし」とよく言われます。

戦略と戦術の違いをよく知って、まずはしっかりとした戦略を立てる必要があるのです。

2 営業戦略の立て方5つのステップ

よい営業戦略を立てるためには、5つのステップを踏むことが大切です。

営業戦略は企業のビジョンを達成するための方針、シナリオですから、イメージや希望だけで考えてもうまくはいきません。
市場や自社の現状を正しく知り、分析し、確実に達成できる道筋を考えなければならないのです。

ですから、まずは十分なリサーチや、データ収集をすることから始めましょう。

リサーチするのは、以下の4分野の情報です。

1)外部環境
2)自社の内部状況
3)課題
4)武器になる強み

これら4つの情報を収集する準備段階があって、5ステップ目に初めて戦略の立案にとりかかるのです。

そうすれば、さまざまな要素を客観的に踏まえた上で、課題を解決し、強みを生かす有効な戦略が立てられます。

以下に5ステップを図化しましたので、確認してください。

では、それぞれのステップについて、詳しく説明していきましょう。

2-1 ステップ1:市場やターゲットがおかれている環境の調査・理解

まず最初に、自社商材の業界や市場、顧客ターゲットがどんな環境におかれているかをリサーチし、理解します。

例えば、社会情勢、政治経済、金融情勢、人口動態など、企業の力では動かせない環境の影響をどのように受けているか。
また、市場動向、競合他社の状況、今後の市場予測はどうなのか。

いわば、客観的・俯瞰的な視点から市場やターゲットの現状を分析するわけです。

これは、地図を作る前に地形を調査するようなもので、正しい戦略=方針を決めるための最初の準備として重要です。

環境がわかれば、進むべき道=営業戦略も見えてきます。
必ず最初にこのリサーチから始めてください。

2-2 ステップ2:自社の営業現状を数値化・分析

次に、自社の現状に目を向けましょう。
業界内で自社がおかれている立ち位置を、数値化して分析します。

また、営業活動の実情も把握する必要があります。

訪問や電話、メールの回数、1社にかかる営業活動の時間、営業コスト、それらに対する成果などさまざまな要素を数値化しましょう。

つまり、自社のリアルな実力を冷静に見つめ直すわけです。

例えば、地図を持って出発する前には、まず自分がどこにいるのか、どんな装備を持っているのか、体力はどれくらいあるのかなど、自分自身を知る必要がありますよね。

何もわからずに出発してしまえば、道に迷ったり、途中で体力が尽きたりして遭難しかねません。

そんなリスクを避けるために、自社について客観的に理解しましょう。

2-3 ステップ3:営業課題の把握・明確化

市場の環境と自社の現状が把握できれば、自ずと問題点や課題が見えてきます。

少子高齢化でターゲット層が増減する中で、その変化に合わせた営業活動ができているのか。
限られたマンパワーを最適に活用できているのか。
営業プロセスの中に、さらに効率化できる部分はないか。

さまざまな視点から問題点を洗い出しましょう。

もちろん、個々の営業マンからヒアリングして、リアルな不満や提案を吸い上げるのも有効です。

社内のシステムの問題から、企業の力では動かせない社会情勢への不安など、解決できるものもできないものも上がってくるでしょうが、それにこだわらずにひとまずあらゆる課題、問題をピックアップしてください。

課題が見えてくれば、それを解決する方向に営業戦略を練っていくことになります。

2-4 ステップ4:コアコンピタンスの把握

実際に営業戦略を練る前に、もうひとつ集めておきたい材料があります。

それは「コアコンピタンス=自社ならではの強み」です。

「コアコンピタンス」を直訳すると、「核となる専門的な能力、技術」となります。
ビジネス用語としては、「他社にはない、自社を差別化できるような技術、特色、価値などの強み」という意味で使われます。

営業成績を上げる企業には、このコアコンピタンスがあります。
これがあるからこそ、競合他社よりも顧客を惹きつけることができるのです。

そこで、自社のコアコンピタンスは何かを徹底的に追及しましょう。

営業スタッフに限らず、商材の開発や製造などに携わるスタッフにもヒアリングすれば、意外な強みに気づけるかもしれません。

このディスカッションの中で、「もっとこんな強みが欲しい」「他社のあのスキルを超えたい」など、これから身につけていきたいコアコンピタンスの展望も見えてくるでしょう。

それもまた、営業戦略を立てる際のひとつの要素になります。
「うちには特に強みがない」と悲観している人も、ぜひコアコンピタンスについて熟考してください。

2-5 ステップ5:戦略の立案

最後にいよいよ集まった情報やデータをもとに、戦略を立てましょう。

ステップ1〜4で集めたのは、

1)市場やターゲットがおかれている外部環境
2)自社の営業現状の客観的な分析
3)現在抱えている営業課題
4)コアコンピタンス=自社ならではの強み

の4要素です。

これをもとに、まず「戦略目標」を決めます。

将来的に企業のビジョンを達成するために、その過程として中長期的な目標を定めるわけです。

その際には、SWOT分析やクロス分析、3C分析などの分析ツールや手法を使うとよいでしょう。

目標が定まったら、それを達成するための戦略を考えます。

外部環境の変化に対応し、自社の内部状況を踏まえてリソースを最適に利用し、コアコンピタンスを十分に発揮して課題を解決する。
そんな戦略を考えましょう。

3 成果が上がる営業戦略を立てる3つのポイント

営業戦略の立て方は、5ステップで紹介しました。

ただ、それだけでよい戦略が立てられるわけではありません。
心がけたい3つのポイントがあります。

それを以下に挙げますので、戦略立案の際には必ず取り入れてください。

3-1 リソースは分散させず集中させる

コアコンピタンスを把握したら、その強みを存分に活かすため、リソースを集中させる戦略を考えましょう。

企業が持っている人的資源や資金は限られています。
それをもっとも有効に活用するには、得意分野に集中させるべきだからです。

もし、「この問題も解決したい」「あの分野も強化したい」と欲張って、多くの課題に対してリソースを細分化してしまうと、肝心のコアコンピタンスに割くリソースは減ってしまいます。

その結果、全体が少しずつ底上げされたとしても、企業として大きな飛躍は望めないでしょう。

それよりも、確実に他社に勝てるという分野に注力してより強化する方が、ビジョン達成に近づくはずです。

人もお金も分散させず、得意分野を徹底して育てる戦略づくりを目指しましょう。

3-2 戦略はひと言で言い切れるようシンプルにする

営業戦略を文章にまとめる際には、ひと言で言い切れるようなシンプルなものにしましょう。

というのも、営業戦略とは全スタッフに周知し、徹底しなければいけないものだからです。
あまり長々しいものや、わかりにくいもの、抽象的なものでは、全員が覚えて理解し、実践するのは難しいでしょう。

「新規顧客を開拓し、3年以内に売り上げを2倍にする」

など、具体的な指針となる数値を入れ込むとさらに効果的です。

3-3 適切なKPIを設定して定期的にチェックする

営業戦略を立てる際には、同時にKPIも設定しましょう。

KPI」は「重要業績評価指標」のことで、目標がどこまで達成されているかを数値化するものです。
訪問件数や新規顧客獲得数、リピート率などさまざまな指標があり、これを設定して定期的にチェックすることで、営業戦略が正しく機能しているかを知ることができます。

せっかく決めた戦略も、成果につながらなければ意味をなしません。
そこで、KPIを通して戦略の効果を知り、もし数字がよくなければ、戦略自体を見直す必要があるのです。

新規顧客獲得を戦略で掲げた場合は獲得数を測定するなど、戦略に沿っていて達成に無理がない目標数値をKPIとして設定してください。

そして、それをもとに、ビジョン達成への正しい道しるべとなる戦略を立案・改善していきましょう。

4 まとめ

いかがですか?
営業戦略の本質と、立案のしかたを理解できたでしょうか。

最後にいま一度、この記事の内容をまとめてみましょう。

1)営業戦略を立てる前に知っておくべきことは2つ

◎営業戦略の目的は、「企業のビジョンを達成すること」である
◎営業戦略とは「企業のビジョンを叶えるための指針」であるべき
 営業戦術=「指針に沿った具体的な作戦、施策」と混同しない

2)営業戦略の立て方・5つのステップとは、

◾️市場やターゲットがおかれている環境の調査・理解
◾️自社の営業現状を数値化・分析
◾️営業課題の把握・明確化
◾️コアコンピタンスの把握
◾️戦略の立案

3)営業戦略を立てる3つのポイントは、

・リソースは分散させず集中させる
・戦略はひと言で言い切れるようシンプルにする
・適切なKPIを設定して定期的にチェックする

営業戦略を立てるには、入念で正確なリサーチと分析が不可欠です。
それを欠かさずに、ぜひよい戦略を立案してください!

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