営業活動の煩雑な業務を、自動化・効率化してくれる営業支援ツール。
ますます導入する企業が増えています。
一方で、
「うちの会社でも導入したいけれど、どれがいいのかわからない」
「そもそも営業支援ツールについてよくわかっていないので選べない」
そんな理由で、営業支援ツールの導入に踏み出せない企業も多いのではないでしょうか。
ITツールは業務の効率化にとても有効で、使いこなせば大きな業績アップも期待できるものです。
しかし、使いづらいものや、自社の業務内容に合っていないものを導入してしまうと、逆に作業工数やストレスが増えてしまうことにもなりかねません。
そんなリスクを避けるために、この記事では、
◎そもそも営業支援ツールとは何か
◎オススメの営業支援ツール5選
◎ツール選びの注意点
を詳しく解説していきます。
もし「今すぐおすすめのツールが知りたい」という人は、2章の「オススメの営業支援ツール 5選」に飛んでください。
営業ツールにはさまざまな製品、機能があります。
この記事で「営業支援ツール」を正しく理解することで、実際に活用できて業務の効率化や業績アップにつながるツールを選ぶことができるはずです。
ぜひあなたの会社の業務に最適な営業支援ツールを選んでください!
1 そもそも営業支援ツールとは?
そもそも営業支援ツールとは何でしょうか?
ひと言で説明すると、「企業の営業活動を自動化しサポートしてくれるソフトウェアやアプリ」です。
例えば、
◎顧客情報や案件情報などの共有・管理
◎スケジュール管理
◎日報作成
◎チャットによるコミュニケーション
といった日々の業務を、ツールによって自動化、効率化できます。
営業支援ツールは、営業活動の各フェーズに対応して、以下の3種類のカテゴリーに分類することができます。
①MA(マーケティングオートメーション)
→ 見込み客の獲得から選別までをサポートするツール
②SFA(セールスフォースオートメーション)
→ 主に、実際の営業活動のスタートから受注・顧客化までをサポートするツール
③CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)
→ 主に、受注から顧客化以降をサポートするツール
SFAとCRMは重複する部分も多く、ツールによっては両方をサポートしています。
MAの主な機能 | SFAの主な機能 | CRMの主な機能 |
・リード情報管理 ・セグメントメール送信 ・メールマーケティング ・Webサイト構築 ・アクセス解析 ・キャンペーン管理 ・リードスコアリング ・SFA/CRM連携 |
・顧客管理 ・案件管理 ・営業行動管理 ・スケジュール管理 ・日報作成・管理 ・見積書/請求書作成 ・データ分析レポート |
・顧客管理/対応履歴管理 |
各フェーズに適したツールを導入すれば、業務を効率化できると同時に、より顧客ニーズに合ったアプローチも可能になります。
さらに詳しく知りたい人は、SFA(営業支援システム)とは?完全解説!導入から運用までこれを読めばOK!を読んでください。
2 オススメの営業支援ツール 5選
現在、営業支援ツールはMA、SFA、CRM、さらにはSFAとCRMの統合型など、さまざまなタイプのものがリリースされています。
その中から、自社の業務内容にぴったり合ったものを探す必要がありますが、あまりにも数が多すぎて迷ってしまったり、自社に合わないものを選んでしまう危険性があるのが現状です。
そこで、オススメのツールを5種厳選しました。
各ツールの強み、弱みを比較し、自社の営業組織に合った営業支援ツールを選んでください。
2-1 cyzen(サイゼン)
【特徴】
現場での使いやすさを重視した世界初のSWA(Smart Work Accelerator)!
「cyzen」は、GPS(位置情報)を活用し外勤営業の効率化に特化したSWAです。
営業支援ツールではありますが、SFAではなく、SWA(Smart Work Accelerator)というコンセプトを謳っており、
・パソコンではなく、スマホやタブレットに最適化
・ITリテラシーが無くても直感的に使える画面と動作速度
・勤怠管理やチャット、スケジュールなど「外出先で仕事を終わらせる」機能が満載
といった特徴があります。
現場で使って役に立つことを重視して開発されており、
「アタックリストを取り込んで地図上で表示する」
「スマホのタップ操作のみで報告が完了する」
「自動で訪問履歴や滞在時間を記録する」
など、現場の営業パーソンを助ける機能が満載です。
導入実績は1,300社以上で、中堅~大企業中心に製薬、通信、不動産、機械メーカーなど様々な業界で導入されています。
【どのような組織に向いているか】
・地図を片手に営業している
・営業活動の進捗がブラックボックス化している
・過去にSFAやCRMを導入したが、現場に浸透しなかった
・飛び込み営業やルートセールスで、1日3件以上訪問する
・直行直帰型のワークスタイルに変えたい
・現場のITリテラシーが低く、SFAを使いこなせるか不安
【運営会社】
レッドフォックス株式会社
【公式サイト】
https://www.cyzen.cloud/
2-2 Salesforce Sales Cloud
https://www.salesforce.com/jp/products/sales-cloud/overview/
【特徴】
世界No.1のCRMツール!
世界でもっとも利用されているCRMツールで、搭載されたAI「Einstein」による高度な分析とアドバイスが特徴です。
MAツールとも簡単に連携し、見込み→商談→受注までの流れを1つのシステムで記録することができます。
非常に多機能を備えていて、必要な機能を営業スタイルや業務内容に合わせて細かくカスタマイズすることができるのもメリットです。
【どのような組織に向いているか】
・内勤営業(インサイドセールス)と外勤営業で分業制にしている
・オンラインからのリード獲得が多い
・MAツールなど他の様々なシステムとの連携を行いたい
・自社専用のSFAとして細かくカスタマイズしたい
・SFA/CRMを運用する専任チームがある
・豊富なレポートで細かく案件管理を行いたい
【運営会社】
株式会社セールスフォース・ドットコム
【公式サイト】
https://www.salesforce.com/jp/products/sales-cloud/overview/
2-3 Hubspot(ハブスポット)
【特徴】
インバウンドマーケティングに特化したMA/SFA/CRM統合型ツール。
Hubspotはアメリカで生まれた中小企業向けCRMツールです。
「インバウンドマーケティング」という言葉を提唱し、従来のアウトバウント型営業ではなく、インバウンド型での顧客獲得に特化したCRMです。
MA、SFA、CRMすべての機能を網羅しており、オプションでCMSも追加することができます。
誰でも簡単に使えるUIが特徴で、SFAやCRMの導入が初めてでも、ある程度感覚的に設定することができるツールになっています。
【どのような組織に向いているか】
・インターネット経由でリード(見込み顧客)を多く獲得している
・コンテンツマーケティングを行っている
・インサイドセールスで商談が完結することが多い
・CMSとCRMを連携したい
・オフラインではなく、オンラインマーケティングが中心
【公式サイト】
https://www.hubspot.jp/
2-4 kintone(キントーン)
【特徴】
月額1,500円から始められるお手軽なSFA!
kintoneはサイボウズ社が開発する純国産のクラウド型業務改善プラットフォームです。
非常に汎用性が高いことが特徴で、営業支援、顧客管理、ワークフロー、契約管理、日報作成など様々な用途で使うことが可能です。
エクセルを使いこなせるレベルがあれば、自由にアプリを設計することができ、誰でも簡単に自社の営業活動に即した営業支援アプリを作ることが可能です。
中小企業中心に多くの企業に支持される営業支援ツールです。
【どのような組織に合っているか】
・スモールスタートで手軽にSFAを導入したい
・営業支援以外の用途でも使いたい
・自社専用にカスタマイズを気軽に行いたい
・情報システム部ではなく、現場部署で設定まで簡単に行いたい
【公式サイト】
2-5 Sansan
【特徴】
「それ、早く言ってよ~」のCMでおなじみ名刺管理ツール!
Sansanは国内の市場シェアNo.1の名刺管理ツールです。
名刺データを基に、社内にある様々な顧客データを連携することで企業の持っている名刺を「資産」に変えることができます。
CRMとも連携が可能で、営業パーソンが交換した名刺情報をCRMに自動で登録することもできます。
名刺の交換情報を共有することで、誰と誰が繋がっているのかを可視化し、営業機会の損失を防ぎます。
【どのような組織に向いているか】
・交換した名刺が一元管理されていない
・名刺交換した相手の人事情報や企業の最新ニュースが知りたい
・営業が日々大量の名刺を交換するが、個人で管理してしまっている
・紙の名刺の紛失リスクを無くしたい
【運営会社】
Sansan株式会社
【公式サイト】
https://jp.sansan.com/
3 営業支援ツール選び・機能以外の注意点
営業支援ツールを選ぶときにもっとも重視すべきことは、「自社の業務内容に必要な機能が十分に備わっているか」です。
その他にも重要な6ポイントを以下にまとめました。
この6ポイントを参考にしていただき、自社に最適な営業支援ツールを選んでいただければ幸いです。
3-1 費用対効果が高いか
営業支援ツールの導入は小さくないコストがかかることですので、費用対効果(ROI)が高いかどうかは非常に重要です。
せっかくコストをかけて導入した営業支援ツールがほとんど使われず、無駄になってしまったということは避けたいですよね。
営業支援ツールの利用コストとしては、月額のライセンス費用と初期導入費用、オプションのサポート費用やカスタマイズ費用が挙げられます。
導入前に考えるべき費用と効果を表にまとめました。
費用 | 効果 |
■ツールの費用 ・月額のライセンス費用 ・初期費用 ・カスタマイズ費用 ・サポート費用 ■内部コスト ・ツール設定に伴う内部工数 ・導入~運用までにかかる工数 ・運用中にかかる工数 |
■成果アップ ・新たな営業機会創出による売上アップ ・受注率の増加 ・パイプラインの増加 ■コスト削減 ・業務効率化による残業削減 ・会議や報告などにかかる工数減 ・事務作業の効率化 |
これらを概算して、ツール導入時の費用対効果の概算を出しておきましょう。
ここで注意すべきは、ツールの運用時に必要な内部工数も見積もっておくことです。
設定が難しかったり、運用開始までに時間がかかるツールはそれだけ内部コストを圧迫します。
単純なツールの購入費用だけではなく、内部工数がどれくらい増加するか?もあらかじめ見積もっておくことが必要です。
3-2 画面デザインやデータ入出力方法などは使いやすいか
機能だけでなく、画面デザインや操作性は使いやすくできているかも重要です。
便利なツールであっても、画面のレイアウトが使いづらかったり、データの入力・出力方法などが面倒であれば、やがては現場で使われなくなっていくでしょう。
「アプリの立ち上げやロード時間が長い」
「ボタンやアイコンの位置がわかりづらい」
といった操作上の不便があると、期待するような効率化はできません。
そんな失敗を避けるためには、ツール導入前に実際に触ってみるのが一番です。
一定期間無料トライアルができるツールもありますし、デモ画面を触ることができるツールも多いです。
ツールを試してみる際は、実際の業務フローに沿って使ってみると、自社に適したものかどうかがより判断しやすいでしょう。
特に、
◼️PCやスマートフォン、タブレットなどで利用する際の画面のデザイン、レイアウト
◼️データ入力・出力のしかた
などに注目してチェックしましょう。
3-3 モバイル(スマホ)利用できるか
フィールドセールスが多い企業であれば、必ずスマートフォンやタブレットなどでのモバイル利用ができるツールを選んでください。
営業パーソンが外出先で、
「さっきの訪問が意外に短時間で終わったので、この近所の顧客も訪問できそう。
近くにいる顧客情報をサッと検索したい」
「前回訪問したときに話した内容を確認して、次の商談のネタにしたい」
といった状況になることは多いと思います。
そんな時、スマホやタブレットでツールが利用できれば、すぐに対応できてビジネスのチャンスを逃しません。
ツールによっては、顧客情報の確認だけではなく、顧客までのルート検索や日報作成、チャットまでできるものもあります。
フィールドセールス中心の営業スタイルをとっているなら、ツールのモバイル対応は必須です。
一方で、「うちは内勤のインサイドセールス中心で、訪問営業はほとんどしない」という企業であれば、モバイル非対応でパソコンだけで使えるツールでも問題は無いでしょう。
3-4 サポート体制は整っているか
長く便利に使い続けるためには、ベンダーのサポート体制が整っていることも重要です。
営業支援ツール選びでよくある失敗が、「導入したけれど、使いこなせなくて定着しなかった」というものです。
「豊富な機能に惹かれてツールを導入したが、使いこなすのが難しすぎて結局運用できなかった」という失敗がITツールにはつきものです。
そんな時に十分なサポートを受けられないと、「ITツールは難しすぎる、やっぱり昔のやり方に戻そう」となり、利用を停止してしまうのです。
そんな失敗を避けるためには、まず自社の業務体制を考えて、
◎メール問い合わせだけでもよいか、電話でオペレーター対応して欲しいか
◎平日の通常業務時間のみの対応で大丈夫か、土日休日も24時間対応して欲しいか
◎ツール導入時のオンボーディングは手厚いか
など、必要なサポートを検討した上で、十分なサポート・サービスがあるベンダーのツールを導入するとよいでしょう。
3-5 導入目的と機能はマッチしているか
どんな営業支援ツールを入れる際も、必ず明確にしなければいけないのが導入目的です。
営業支援ツールは多機能だからいいツールかというと、実はそんなこともありません。
例えば営業の商談件数が多く、1日中外にいるのにスマホ非対応のツールを入れたり、オンライン中心でリード獲得を行っているのにMAツールと連携できないSFAを導入したりすると、業務の生産性はむしろ下がってしまいます。
自社の営業組織で優先的に解決したい課題を特定し、その課題解決に即した営業支援ツールを選びましょう。
ベンダーとコミュニケーションを取るときも、「こういう機能はあるか?」という質問ではなく「こういうことがしたいので、解決できる方法はあるか?」という質問をした方が有意義なコミュニケーションが取れます。
3-6 設定変更は簡単か
営業支援ツールを使いだすと、必ず「ここの設定を変えて、自社に適した業務フローにしたいなあ」と思うことがあります。
自社の業務になるべく合っているツールを探し、ベンダーに協力してもらって初期設定をばっちり行っても、運用をしていると必ず変更したい部分が出てきます。
営業支援ツールは導入がゴールではなくスタートなので、自社で使って最も成果が出るように細かく運用方法を見直していくものです。
そんな時に、ベンダーに頼らずともユーザー自身が簡単にカスタマイズできるツールというものがあります。
例えば報告書のフォーマットを直感的に変更出来たり、顧客の属性を簡単にカスタマイズしたりできるというものです。
運用変更や設定変更を行う際に、毎回ベンダーの協力が必要だと別途費用もかかりますし、自社でPDCAを早く回すことができなくなります。
営業支援ツールを選ぶ際は、設定変更が自社でも簡単にできるか?ということにも注意しましょう。
4 まとめ
いかがでしたか?
あなたの会社に合ったツールは見つかったでしょうか。
では最後にあらためて、この記事の内容をまとめましょう。
■おすすめの営業支援ツール5選
・cyzen(サイゼン)
・Salesforce Sales Cloud
・Hubspot(ハブスポット)
・kintone
・Sansan
■営業支援ツールの選び方6ポイント
・費用対効果が高いか
・画面デザインやデータ入出力方法などは使いやすいか
・モバイル(スマホ)利用できるか
・サポート体制は整っているか
・導入目的と機能はマッチしているか
・設定変更は簡単か
以上を踏まえて、ぜひあなたの会社の業務内容に合った使いやすいツールを選んでください。