強い組織を作るために、マネジメントの手法として近年注目を集めるようになった「チームビルディング

チームのメンバーがお互いを刺激し合い、自律的にスキルアップしていくことができるため、人材開発や社員育成の研修等の場で取り入れられるようになりました。

「なんとなくギスギスした感じの今の組織を、お互いに励ましあえるような組織にしたい」
「目標達成に向かって一丸となれるような強いチームを作りたい」

そんな願いを持っているものの、チームビルディングに悩んでいるマネージャー職やリーダー職の方は多いはずです。

そこでこの記事では、チームビルディングに関する基礎知識から、チームビルディングを実際に行うための手法までご紹介します。

チームビルディングの手法を学んで、組織強化を実現しましょう!

1.チームビルディングとは


チームビルディングとは、チーム内のメンバーのスキルや能力・経験を最大限に発揮できるようにして目的や目標が達成できるチームを作り上げることです。チームを作り上げるための考え方や、ワークやプログラム、研修といった具体的な方法も含めてチームビルディングと呼ぶこともあります。

チームと似た言葉に「グループ」がありますが、2つには大きな違いがあります。

「目指すべき共通の目的・目標」を持っていればチーム
「目指すべき共通の目的・目標」を持っていなければグループ
 です。

ここでは、チームビルディングの必要性やチームビルディングの目的や効果など、チームビルディング の基礎知識をご紹介します。

1-1.チームビルディングがなぜ必要なのか

チームビルディングが必要な理由は大きく分けて3つあります。

1-1-1.メンバー同士の信頼感と安心感を得るため

チームの目標達成のためには、チームメンバーに対する信頼感や安心感を得ることが重要だからです。
終身雇用制が普通だった昔と違い、人の入れ替わりが激しくなり、雇用形態の異なる人や国籍の異なる人もチームメンバーとなる時代です。
多種多様なメンバーで構成されるチームが目的に向かって進み、成果を出すために必要不可欠になるのが、「コミュニケーションの活性化」です。
メンバーそれぞれの持つ特性を活かせる環境をつくり出すためにも、チームビルディングは有効な手段となります。

1-1-2.個々の個性や能力を最大限に発揮させて、生産性を向上させるため

上から指示されたことをただ黙々とこなせばよかった時代は終わり、一人ひとりが積極的にアイデアや改革案を提案して、生産性をアップさせることが必要となったからです。

特に超高齢化社会を迎えて少子化が進む日本国内においては、個人個人の生産性がアップすることがチームの業績アップにつながります。チームビルディングで個々の個性や能力を最大限に発揮できる環境を作り、「チーム力」を強化することが大切です。

1-1-3.組織の目標・目的・ミッション等を明確化するため

チームの一体感を高めるためには、組織の将来的なビジョンをはじめ、目標・目的、ミッション等を、チーム内に浸透、明確化させることが必要です。

チームビルディングによって、組織のビジョンを共有し、チーム全体で協力して目標達成を成し遂げるというマインドを作り上げます。

1-2.チームビルディングの効果

チームビルディングを行うことによって、主に4つの効果が期待できます。

1-2-1.メンバーのモチベーションやパフォーマンスが向上する

チームビルディングを行うことによって、チーム全体の結束感が高まり、それに伴ってメンバーそれぞれのモチベーションがアップし、意欲的に仕事に取り組むようになります。

1-2-2.仲間との信頼や結束感が強まり、円滑なコミュニケーションが増える

チームビルディングを行うことで、各々の強みを存分に発揮できるようになり、弱みは互いに補い合って成果を上げることができるようになります。また、各メンバーが意見を出し合うことに躊躇がなくなり、コミュニケーションが活性化して、積極的にチーム運営が行われるようになります。

1-2-3.困難と思われていた課題に対してチーム一丸となってチャレンジできるようになり目標を達成できる

チームビルディングの最大の効果は、目標達成できるようになることです。
チームの運営上、対立関係が生まれやすいリーダーとメンバー間の距離を近づけることができるので、困ったことがおきたときも、すぐに問題解決が図れるようになります。
メンバー間の連携も密になり信頼関係も深まって、互いに協力し合いながらゴール達成に向けて行動できるようになります。

1-2-4.チームとしてイノベーションを起こせるまでに組織改革を進めることが可能

チームメンバー間の協力関係を強化することで相乗効果が生まれ、新たな目標への挑戦やイノベーションの創造といった効果をもたらします。
チームビルディングの場でアイデアを出し合ったり、問題解決した成功体験を積み重ねていくうちに、一人では経験できないメンバー同士で取り組む楽しさや一体感を得ることができます。
チームで取り組む楽しい体験や達成感は、チームの協力関係を一層強化するので、過去に経験したことがない新たなチャレンジへの取り組みや、イノベーションの創造といった可能性も高めます。

1-3.チームビルディングにおける5段階のプロセス

チームビルディングでは、チームの発展段階を5段階に分類しています。

この5段階は、提唱者のブルース・タックマンの名前から取って「タックマンモデル」と呼ばれています。
下記の5段階を経てチームは発展していきます。1つずつ紹介していきます。
1.Forming(フォーミング)
2.Storming(ストーミング)
3.Norming (ノーミング)
4.Performing(パフォーミング)
5.Adjourning(アジャーニング)

第1段階/Forming(フォーミング)

チームが作られたばかりの段階をフォーミングと言います。お互いの性格や目的、特徴、能力をそれぞれのメンバー同士が把握できていない段階で、様子見をしたり、遠慮をしつつもお互いのことを探り合って、親しくなっていく段階です。

この段階のチームには、まだ緊張感のようなものが漂っており、それぞれが不安感も持ちつつ行動をしています。コミュニケーションも探り合いの段階です。

この段階では、リーダーが各メンバーに対して、目標達成の意義やプロジェクトの趣旨などを説明しつつ、明確な指示を出していく時期です。チームビルディングを行うのであれば、研修や少人数で取り組めるゲームなどが向いています。

第2段階/Storming(ストーミング)

Stormingの「Storm」は嵐のことですが、チームビルディングのメンバー同士の対立や軋轢、抵抗の状態を「ストーム」と表します。メンバー同士が個々の意見を主張し始めることで起きるもので、フォーミングの段階を超えられた証拠です。

この段階に入ったチームは、メンバーそれぞれが持つ主張や本音をメンバー同士でぶつけ合ったり、意見が激しく対立したりして混乱します。強いチームを作り上げていくためには避けられないフェーズと言われており、衝突を避けてしまうと最終段階で爆発して空中分解してしまう恐れもあります。

この時期には、メンバー同士、お互いの業務や人間性を理解し合えるようなチームビルディングを行います。たとえば食事会のような場を設けて、密にコミュニケーションを取るようにします。

第3段階/Norming (ノーミング)

Normingの「Norm」は、日本語で「規準」という意味になります。チームが嵐を乗り越えた後には、秩序が形成されます。メンバー同士がお互いのことをよく理解し合うことができ、適切な役割分担と関わり方もできるようになり、メンバーへの思いやりも生まれます。

この段階のチームは、前のフェーズの混乱をうまく乗り切り、チーム内の改革が終了していますので、チームとしての目標が共有されて一定のルールの元でまとまった状態になっています。メンバー同士のコミュニケーションも活発になり、励まし合ったり助け合うことが増えます。

この段階では、特別なチームビルディングを行う必要はない場合が多く、どちらかというと、リーダーが各メンバーのフォローをしっかりと行い、進捗管理をする時期です。

第4段階/Performing(パフォーミング)

パフォーミングの段階は、それぞれの役割を全うするだけではなく、チームのメンバー同士でフォローし合うようになります。同じ目的のためにメンバー全員が主体的に動くことができるようになり、チーム全体の一体感がさらに増すことで、業績アップが図れる段階です。

この段階のチームは、リーダーの指示がなくても、目標達成のために各メンバーが自分で考えて自律的にアクションを取るようになります。チームとしての成果も目に見えるようになる段階です。

各メンバーが自律して行動できるようになっている時期なので、リーダーは細かい指示を出す必要はなく、メンバーが動きやすい状況を作るようにします。チームビルディングを実施するのであれば研修のような堅苦しいものではなく、仕事忘れて取り組めるスポーツなどが向いています。

第5段階/Adjourning(アジャーニング)

「Adjourn/アジャーン」とは終わりや別れを意味します。つまり、解散の段階です。目的と目標を掲げ、達成のために存在するチームという存在は、達成によってアジャーニングを迎えます。

この段階のチームは散会のタイミングです。それぞれ成長したメンバー間の意識のズレがはっきりして、目的達成したことなどを理由にしてメンバーが離れていきます。

この段階に達した後も新たな目標に向かっていきたい場合は何らかのイベントが必要です。一般的にはプロジェクト達成祝賀会のようなものを行います。

チームビルディングは第1段階のフォーミングに始まり、第5段階のアジャーニングで終了します。自分が属しているチームが、今どのプロセスまで来ているのかを確認することで、これから何が必要か、どんな施策を打てばいいかなどを検討することができます。

2.チームビルディング の5つの手法


チームビルディングを行うためにはさまざまな施策がありますが、ここでは、主な5つの手法をご紹介します。

①日常業務の最中
②ゲーム
③ワークショップ
④アクティビティ
⑤イベント

チームビルディングは特別に時間を取らなくてはできないものではありません。まずは日常の業務の中で行い、少しずつ難易度の高いものに挑戦するようにしてください。

2-1.日常の業務の最中

チームビルディングのために特別に時間を割かなければ、チームビルディングができないわけではありません。まず、日常的な業務の中でチームビルディングを行うことは可能です。

メンバ同士が互いにサポートし合い、有益な情報を共有する」「メンバー同士で人格を尊重し合う」など日々意識して業務を行うことがチームビルディング構築の一助になります。

チームビルディングの具体的な手法
・日常的にリーダーが積極的にメンバーに声をかけるようにする
・メンバー同士での対話を増やす

2-2.ゲーム

チームが発足して間もないころなど、メンバー間にまだ緊張感が漂っているような場合には、ゲームが有効です。メンバー全員が気楽に参加できるゲームを行うことによって緊張感が解かれ、ゲームに勝つために知恵を出し合うなどすることで、お互いの性格が把握でき、戦略的思考の訓練にもなります。

ゲームの種類は、少人数で行うことができるカードゲームやボードゲーム、クイズ大会のようなものまで多種多様です。楽しさや取り組みやすさを考えて、盛り上がりが期待できるゲームを選びましょう。

チームビルディングの具体的な手法
・30分から1時間程度で終わるカードゲームやボードゲームを行う
・全員参加型の嘘つき当てゲームや質問ゲームなどを行う

2-3.ワークショップ

ワークショップとは、体験型講座のことで、実際に作業を行なったりディスカッションを行います。メンバーに主体的な行動を促したいときなどに有効です。

メンバー間で議論したり、試行錯誤を繰り返しながら最終的に成果を出すという経験をチームで共有することで、チームビルディングを強化します。

チームビルディングの具体的な手法
・音楽、演劇、創作等をテーマに実際に手を動かしたり体を動かして体験できる講座を開く
・体験の後、ディスカッションを行いメンバー間で互いに意見を言い合う

2-4.アクティビティ

チームビルディングにおけるアクティビティとは、主に野外などで行う活動のことです。野外でなくても、社内の一室を使って手軽に実施する場合もありますし、アトラクション施設を利用して大規模に行うものもあります。

アクティビティにチームメンバーが結束して取り組むことで、コミュニケーションが活性化し、強いチームワークが生まれるので、チームが一丸となって目標達成したいときなどに行うと効果が期待できます。

チームビルディングの具体的な手法
・登山、チャンバラ合戦、サバイバルゲーム、カーリング、ラフティング(川下り)、運動会など

2-5.イベント

チームメンバー同士がかなり打ち解けるようになったら、仕事以外の場面でも親睦を深めるために、社員旅行やバーベキュー大会といったイベントを開催しましょう。

リラックスしたムードの中でメンバーのありのままの姿を知ることができ、相互理解や関係性の強化を促して、チーム全体のつながりを強くします。

チームビルディングの具体的な手法
・一般的な飲み会、親睦会、社員旅行、バーベキュー大会など

3.チームビルディングを行う際の注意すること


ここで、チームビルディングを行う際に注意することを確認しておきましょう。注意することは主に3つあります。

①強制的な目標にしない
②メンバーの主体性を尊重する
③チーム編成に気を配る

チームビルディングの目的のひとつには、チームメンバーが自主的に行動できるようになることがあります。よって、強制的にチームビルディングを行なっても、強固なチームワークは生まれません。自主性を尊重したチーム作りができるように配慮を行うようにしてください。

3-1.強制的な目標にしない

やらされているという感じがするので、強制的に行動させるような目標設定をしないように気をつけましょう。上から強制的に目標も持たせるようなチームビルディングは、苦痛を感じさせるだけでなく、パフォーマンスも落ちてしまうからです。

3-2.メンバーの主体性を尊重する

それぞれのチームメンバーが主体的に動けるよう、メンバーにチームビルディングとして取り組みたいことを聞いてみて取り入れていくのもひとつの手です。また、メンバーが自由に行動してしまうと、チームがバラバラになってしまう可能性があるので、リーダーが一定のリーダーシップを発揮することも大切です。

3-3.チーム編成に気を配る

短期間にチームメンバーを入れ替えたりすると、一体感を高めたり、チーム力アップにはつながらなくなります。一定期間は同じメンバーで繰り返していくのが理想です。しかしメンバー同士の対立が生まれやすい場合もあるので、その場合はメンバーの入れ替えを検討しましょう。

4. まとめ

チームビルディングは、理想の組織ができあがるまでに、ある程度の期間や年月が必要になりますが、チームビルディングに取り組むことのメリットは計り知れないものがありますので、根気よく取り組むようにしましょう。

最後に、チームビルディングの効果を復習しておきましょう。

1.メンバーのモチベーションやパフォーマンスが向上する
2.仲間との信頼や結束感が強まり、円滑なコミュニケーションが増える
3.困難と思われていた課題に対してチーム一丸となってチャレンジできるようになり目標を達成できる
4.チームとしてイノベーションを起こせるまでに組織改革を進めることが可能

チームビルディングには、コミュニケーションの活性化やモチベーションの向上だけでなく、目標達成ができる強いチームを作ることができるという大きなメリットがあります。

あなたの組織・チームに合ったチームビルディングの手法を選んで、成果を最大化できる最強チームを構築してください!!

横溝 龍太郎

この記事の監修者

横溝 龍太郎 レッドフォックス株式会社 COO

本コラムは、ビジネスパーソンを「働くを、もっと楽しく」するためのアイディアの情報発信しています。
ちょっとした、日々の仕事のヒントになれば幸いです。

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