「SoE」の時代到来。従来の「SoR」との違いも解説!

「SoE」の時代到来。従来の「SoR」との違いも解説!

そもそもSoEとはなんでしょうか?従来のSoRとの違いは何でしょう?

この数年、業務ソフトウェア業界ではSoE(System of Engagement)という言葉が話題ですね。
SoR(System of Record)とよく対比されます。どちらもシステムを設計する際の考え方の一つです。

クライアントから質問を受けることも多いので、ここで「SoEってそもそも何?」「SoEとSoRの違い」について、解説いたします!!

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1.SoEとSoRの違い

「SoE」の時代到来。従来の「SoR」との違いも解説!
SoEとは「System of Engagement」の略語で、エンゲージメントのためのシステム、すなわち「顧客とのつながり」を意識したシステムです。

対してSoR(System of Record)とは、その名の通り「記録」するためのシステムであり、従来の業務システムのほとんどはこちらに分類されます。

SoR(System of Record)は、正確に記録する事を求められる

既存の業務システムはSoR(System of Record)と言われ、正確に記録することを重視して設計されます。
ERP等の基幹系のシステムに加え、Eメールやファイル共有でも使用されてきました。

設計・運用において、正確性、信頼性、安定性が重視されます。データ構造も最初の設計段階と大きく変化することはなく、静的なシステムです。

SoEはユーザーとの関係を意識したシステム設計が必要

一方、SoE(System of Engagement)とは、ユーザーとのつながりを重視して設計されるシステムを指します。

SoEでは入力した情報を記録し、共有することだけが目的なのではなく、実際にユーザーに活用され、ユーザーとシステムとの関係を強化することを目的としています。

ユーザーとの関係は常に変化するため、一度定義したデータ構造も動的に対応する必要があります。
同じシステムと言っても、運用方法はかなりSoRと異なるわけです。

なぜSoEが重視されるのか?SoEで実現できることとは?

SoEは米国のマーケティングコンサルタント、ジェフリー・ムーアが2011年に提唱し、一気に広まりました。

これは経営においてITがさらに重視され、システムがユーザーとの関係強化を求められるようになったことが背景にあると言えるでしょう。

エンジニア観点から見ると、「どのようなデータを集めるのか」を中心にシステム設計を考えるのがSoRであり、「どのようなユーザー経験を提供するのか」を中心にシステム設計を考えるのが、SoEと言えるでしょう。

2.ITツール導入失敗の理由はSoRにあり?

ユーザー体験を重視するSoEですが、未だに世の中のITシステムの大半はSoRの設計思想に基づいて開発されています。

SoRに基づいて設計されたシステムは導入しても現場に浸透せず、結果として誰にも使われなくなることが多いようです。

SFA/CRM導入失敗の理由はSoRにあり!?

ERP等の基幹系のシステムの導入に比べ、営業報告など営業活動を支援するCRM/SFAは導入に失敗しているケースが多いと言われており、ツールの課題となっています。

米国のリサーチ会社によると、この十数年で導入されたCRM/SFAプロジェクトの30~60%が失敗に終わっています。

「SoE」の時代到来。従来の「SoR」との違いも解説!

その理由として、「7割はせっかく導入してもユーザーに活用されないことに起因する」とされています。

出典:フォレスターリサーチ社 https://go.forrester.com/

では、なぜSFAシステムは、ユーザーに活用されないのでしょうか?

ITトレンドの分析では「入力の面倒さ」「無駄な機能の多さ」「結果的な仕事増」などがあげられており、ユーザビリティに課題があるといえます。

SoEの概念が2011年に生まれたと考えると、それ以前のシステムは、SoRの概念で設計されています。
データを記録することが実務と直結している人事や経理の業務であれば、SoEの要素は、そこまで重要ではありません。

たとえ、入力が面倒で煩雑でも、データを記録すること自体の重要性が認識されているため、問題はありません。

しかし、営業支援システムの場合、データを記録して情報共有しても営業の成果に直結しにくいという課題があります。

営業社員としては、顧客への付加価値を提供することが本質であると考えている場合が多く、営業報告するのに入力が面倒だと活用されにくいのも当然でしょう。

3.システム導入担当者と、現場のニーズは異なる

ほとんどの企業において、ITシステム導入の担当者と、実際に現場で使うユーザーは異なります。
(情報システム部や管理職が導入し、営業部が使う、など)

また、システム導入の目的においても、データの集計や分析が行いたい管理職と、業務効率化に繋がってほしい現場ではニーズが異なります。

ここを理解し、「現場の業務効率化や生産性向上」に繋がるシステムでなければ、実際に運用が成功することは難しいでしょう。

現場と管理職のニーズの違い

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個人レベルでオペレーションを回す現場と、チームのマネジメントや役員へのレポート業務が必要な管理職では、システムに求める要件がそもそも異なります。

現場ではシステムの使いやすさや、業務に役に立つかどうか、というところが重要視されるのに対し、管理職はデータの集計や分析といったことを重視します。

業務改善は現場のオペレーションのPDCAを高速で回して改善していく必要がありますが、管理職目線でのツール選定を行ってしまうと、現場に不必要な負担を強いることになり、本末転倒な結果になりかねません。

システム導入をする際は、現場に使われるツールとは何か?ということを常に考えながら選定する必要があるでしょう。

現場に使われるシステムとは?

SoRの概念で設計されたシステムでは、「情報を入力して記録」することが重視されるため、「入力しやすいUI」や、「ストレスフリーな動作」はあまり重視されません。

そのため情報システム部や、経理・総務などの管理部で使用する分にはそこまで問題はありません。
しかし、「情報入力」以外にも顧客への訪問などで時間的な余裕がない営業部で使用される場合には、結果的に現場の負担増につながってしまうことが多いです。

SoEの概念で設計されたシステムは、ユーザビリティが重視されているので、比較的現場の負担を増やすことなく、業務の効率化が狙えます。

ITツールやシステムを新たに導入する際、現場の営業担当者にとっては、特に以下の3点が重要です。

①入力が簡単
②動作が軽く、ストレスフリー
③自分の役に立つ

①入力が簡単

時間がない営業担当者にとって、マニュアルを見なければ入力ができないようなシステム・ツールは確実に使われません。

管理職にとっては集計や分析機能が豊富で多機能なツールは魅力的です。

しかし、そのために現場が大量に情報を入力しなければいけなかったり、UIが分かりづらく入力が負担になるようなシステムでは、そもそも「分析するためのデータが満足に上がってこない」ということになってしまいます。

そのため、多機能であることよりも、現場の入力が簡単(できればチェックボックスやラジオボタンなどで簡単に入力できる)なツールの導入をお勧めします。

②動作が軽く、ストレスフリー

毎回ソフトを起動するのに数分かかるようなシステムや、画面遷移に時間がかかるようなツールでは、毎日使う現場の担当者としてはかなりストレスが溜まります。

とにかく、「サクサク動くこと」が毎日使うユーザーにとっては重要です。
その点も設計段階から考慮に入れられているのがSoEですので、現場に優しいシステムだといえるでしょう。

③自分の役に立つ

実は、現場にとってはこれが最も重要。
新しいシステムが導入されたが、そのシステムへの入力に時間がかかり残業時間が増えてしまう、というのは本末転倒です。

本来ITツールは、人間が行っていた作業の負担を軽減するためのものです。
導入して、現場の業務負担が減るようなツールを最優先で導入しましょう。

4.まとめ

いかがだったでしょうか?

SoEとSoRの違いから、システム導入の担当者として注意すべきことがお分かりになったかと思います。

システム開発者としても、導入担当者としても、SoEのシステムを検討されることをお勧めします。

 

横溝 龍太郎 レッドフォックス株式会社 COO

この記事の監修者

横溝 龍太郎 レッドフォックス株式会社 COO

ヤマハ発動機株式会社においてブランドマネジメント、マーケティング、新規事業構築、事業企画、役員秘書などに携わる。『パスクル』プロジェクトリーダーとして、グッドデザイン賞受賞、シェア50%達成に貢献。    2016年にレッドフォックス入社。マーケティング、PRの責任者。 2018年に取締役COO就任。 グロービス経営大学院修了(MBA)成績優秀者(TOP5%)。

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