「営業日報の提出率が悪いし、内容も良くない。どうしたらいいんだろう?」
あなたは今、こんなふうに営業日報のことでお悩みではありませんか?
外回り営業からメンバーを会社に戻らせて日報を書かせれば残業になるし、やっと回収しても毎度同じような内容で意味がない。
そもそも日報ってやる意味があるのかな?と疑問に思いますよね。
そんなあなたにお答えします。
「営業日報には意味があります!営業日報は人材育成と業績を上げるための大切なツールです」
この記事をお読みいただければ、そのことが分かります。
確かに世の中には「日報は時間のムダ」という意見もあります。
しかし、それはやり方が上手くいってないから思うこと。
営業日報は書き方や管理の方法を変えるだけで、確実に目標を達成し、業績アップが図れる「宝の地図」になるのです。それだけでなく、日報を上手に活用すれば、チーム全体が活発に動き出すようにもなります。
今日は、そんなステキな成果が上がる営業日報の書き方と管理術のポイントをしっかりとお伝えします。
営業日報についての理解を深めていただき、会社の業績アップにこの記事がお役に立てば幸いです。
INDEX
営業日報は人材育成と業績を上げるための大切なツール
営業日報は、人材育成と業績を上げるために使われる大切なツールです。
その意義を正しく理解していないと、うまく活用することができません。
営業日報を意義のあるものにするために、まずは営業日報の目的とメリットを確認しましょう。
営業日報の目的
営業日報には大きく2つの目的があります。
ひとつは「業績を上げるため」であり、もうひとつは「人材育成のため」です。
それぞれ具体的に見ていきましょう。
①業績を上げるため
- 先に決められた目標に向けて、日々数字が積み上がっているか進捗を確認する
- 現場の問題点をいち早く発見し、すばやく解決する
- 各現場の最新状況を把握して、次の戦略を練る
- 各現場の情報を収集して、社内に蓄積・活用する
- 情報を共有し、チームで問題で解決に当たる
②人材育成のため
- 社内の育成プランに合わせたビジネススキル・ヒューマンスキルの成長を確認する
- 日々の目標確認と振り返りを行う
- 共有して、メンバー間のコミュニケーション力を上げる
このように、日報の目的は重要なものなのです。
決して、「営業マンがちゃんと働いているかどうかを監視するツール」でも「評価のための形式的な日記」といった目的のためのものではないのです。
続いて、これらの目的を達成すると得られるメリットを確認しましょう。
営業日報のメリット
営業日報を目的どおりに行うと、以下のようなメリットが得られます。
①業績へのメリット
- 日々進捗を確認し、すばやく問題解決することで、営業の目標数値を達成しやすくなる
- 情報やノウハウが蓄積され、会社の財産になる
- 日報を共有することでメンバー間の競争力が高まったり、チーム力が上がる
②人材育成のメリット
- 日々成長を確認することで、タイミングを逃さず適切なフォローができ、育成しやすくなる
- メンバー自身も1日の行動を振り返ることで気づきや問題点が見える
- メンバー間で日報を共有することで、仕事に対するモチベーションが上がったり、コミュニケーション力が上がる
このように、営業日報を正しく活用すれば、業績にも人にもいいことが多くあります。
しかし、実際はなぜこのように上手く回らないことが起きるのでしょうか。
続いて、日報によくある問題点をチェックしてみましょう。
日報によくある4つの問題点
日報にありがちな問題の代表的なケースを見ていきましょう。
問題点を把握できれば、その改善によって日報本来の機能を取り戻すことができます。
問題が放置され積み重なると「日報は時間のムダ」という空気になってしまい、日報がないがしろにされてしまいます。
改善のためにもまずは問題点を明確にしておきましょう。
会社に戻って書くのが面倒くさい
書くのが面倒くさい理由の1つは、外回り営業が終わった後、日報を書くためだけにわざわざ帰社しなければならないことです。
しかも日報を書く作業を残業にしないためには、肝心の営業の時間を削って、早く会社に帰らねばなりません。
数字を追っている営業マンにとって、それは本末転倒な気分にさえなってきます。
そのため、日報を出さずに帰ってしまうことも発生するのです。
手書きや長文で書くのが面倒くさい
書くのが面倒くさい理由のもう1つは、手書きや長文スタイルにあります。
そもそも営業マンは、文章を書くのが苦手な人が多い傾向があります。
そんな人が手書きや長文スタイルの日報を毎日書くのは、かなり大変なことなのです。
同じことを複数の管理表に記入するのが面倒くさい
1つの案件について、日報のほかにも同じ数字を記入しなければならない管理表が複数あるという場合があります。
小さな規模からスタートして、最初はエクセルで管理していたのが、だんだん規模が拡大するにつれてフローが複雑になってくると、こういうことが起きます。
営業マンは何度も同じことを記入・報告するので「管理表に書いたから、もう日報は書かなくてもいいじゃん」という気分になってしまうのです。
マネージャーが日報を読んでいない・リアクションしない
せっかく書いた日報にマネージャーから何の反応もなければ、読まれたかどうかもわからなくて、営業マンの日報に対するモチベーションが下がります。
誰も読まないものに、貴重な労力や時間は割きたくないと思うのはもっともなことです。
以上のが積み重なると、日報の提出率や質がだんだん下がっていってしまいます。
日報の質や提出率が下がれば、マネージャーも日報を業務に活かすことができなくなってしまうので、負のスパイラルに陥ります。
問題点をどう改善していくか、次の章で具体的に見ていきましょう。
業績が上がる営業日報のポイント/書き方から管理術まで
業績を上げるには、仕事のゴールを決め、そこに向かうプランをスケジュールに落し込み、進捗を確認しながらPDCAサイクルを回していくのが根本です。
営業日報はその「進捗を確認しながらPDCAサイクルを回す」ための大切なツールになります。
ここから営業日報を有益にフル活用していくための「営業日報管理の書き方」と「管理術」をご紹介します。
業績が上がる営業日報の書き方
日報の書き方は長文式をやめて、箇条書きや選択式、数値記入式等にしましょう。
記入がラクなので日報の提出率も上がり、情報や数値の抽出もしやすく、業務に活かしやすくなるからです。
日報は、一般的に主に以下の3項目から成り立っています。
- 業務内容
- その日の目標
- 所感(気づき、反省、改善点)
その中で、営業に大切なのは「業務内容」です。
ここの項目を決め、フォーマットにして数値や定型の言葉で記入できるようにしましょう。
「業務内容」では、主に以下の項目が押さえられれば進捗管理が出来ます。
- ①いつ :訪問日時
- ②どこで :訪問先会社名
- ③誰と :訪問先の担当者名
- ④何を :訪問の目的(フェーズ、商品名等)
- ⑤いつ :納期や購入時期
- ⑥いくらで :予算や購入価格
- ⑦どんな感じ :話した内容や相手の様子
- ⑧確度
- ⑨次回予定
- ⑩問題点、気づき、マネージャーに聞きたいことなど
必要項目は職場により違います。項目やフォーマットを決めるときは、メンバーと相談して現場が使いやすいものにしてください。
日報のNG例とOK例
日報は長文で書くと、パッと見ただけでは内容が把握しずらいものになります。
項目だてて、箇条書きで分かりやすく記入しましょう。
- <NG例>
- 今日は朝から昼過ぎまで飛び込みで新規開拓に励みました。雨だったせいか、担当者がいる確率が高く、いつも以上に良く話を聞いてもらえた感じがします。中でも○○株式会社様は偶然、お得意様の△△商事様と繋がりがあり、弊社の良い評判を聞いていたそうです。なので次回また改めて現場の担当者様と話をさせてもらうことになりました。大口案件になりそうなので、可能でしたら同行をお願い致します。
- <OK例>
-
- ①訪問日時 :20××/6/1(月)11:00〜11:30
- ②訪問先会社名 :○○株式会社様
- ③訪問先の担当者名 : 山田太郎様
- ④訪問の目的 :アプローチ
- ⑤納期や購入時期 :20××/7月中旬
- ⑥予算や購入価格 :5,000,000円
- ⑦どんな感じ :△△商事様との繋がりがあり、弊社の評判を聞いていた。ゴールドプラン詳細・見積り希望
- ⑧確度 :高
- ⑨次回予定 :20××/6/8(月)11:00〜12:00
- ⑩問題点、気づき、マネージャーに聞きたいことなど :次回、同行希望
業績が上がる営業日報の管理術
日報の書き方を改善しただけでは、業績は上がりません。
業績を上げるには「仕事のゴールとプランを持って、一連のPDCAサイクルを回していく」ことが基本になるからです。
そこに合わせた日報の管理術を行っていきましょう。
具体的には以下のようなポイントがあります。
①営業日報の目的をメンバーに伝える
「営業日報は人材育成と業績を上げるための大切なツール」でもご説明した営業日報の本来の目的とメリットをメンバーにしっかり伝えましょう。
何のために使うのかの目的が分からないと、正しい活用ができないからです。
中には日報を「ちゃんと働いているかの監視の道具」と勘違いしている人もいるかもしれません。
営業日報は仕事と成長のための大切なツールだと確認して、メンバーの意識を本来の向かうべき方向に整えましょう。
②しっかりとした事業プランを立てる
マネージャー側がまず仕事の長期・中期・短期のプランをたて、各個人の日々の業務にまで落し込みましょう。
日報はもとになる指針があってこそ、活用されるものです。それがないと進捗が計れません。
営業は昔から個人商店のようにそれぞれのやり方で競うスタイルが多いのですが、それだけに任せていては、会社内にノウハウが溜まりませんし、人材が育ちません。
マネージャー側がしっかりとした事業プランをたて、そこをもとに日報を活用してPDCAサイクルを回していきましょう。
③マネージャーは日報を読み、リアクションする
マネージャーは日報をきちんと読み、コメントを残したり、指示出しをしてください。
そもそも日報はマネージャーが各現場の最新情報を知り、戦略をたてるためのものだからです。
メンバーが「今日の状況はこんな感じです」と報告してきたら、「そのまま進めていい」とか「それなら次は〜しよう」と必要なリアクションをしましょう。
そうすれば、メンバーは日報の意味を実感し、活用するようになります。
④失敗報告は怒らない
もし日報で喜ばしくない報告があっても、マネージャーは怒ってはいけません。
メンバーが次から失敗を隠すようになるかもしれないからです。
成功も失敗もありのままに報告してもらい、それに対して的確な指示を出すのがマネージャーの責務です。
そうすることにより数字の無事な積上げが達成され、また、失敗の挽回の仕方をメンバーは学んでいきます。
失敗を隠されると、顧客を失ったり等、大問題に繋がりかねません。
怒るより、何でも素早く連絡してくれるように行っていきましょう。
⑤メンバー間で日報を共有する
メンバー間で日報を共有するとチームが活性化するケースが多くあります。
自分の日報をみんなが見て、リアクションしてくれることで張り合いができるからです。
共有を始めたことで、日報の提出率が100%になったという例もよくききます。
業務内容により日報の共有が難しい場合もあるかもしれませんが、SNSに親しんでいる世代が増えているので、可能な範囲で行ってみるのもオススメです。
⑥出先からでも作成・提出できる形にする
手書きの日報をやめて、システムやアプリ・ツールを使って、携帯やノートパソコンから作成・提出できるスタイルにしましょう。
「わざわざ日報のためだけに会社に帰る」といいうムダな時間を削り、残業を減らすことにもなるからです。
一番簡単なところでは、無料のGoogleカレンダーやGoogleドライブを使うことでも可能になります。
使えるものはどんどん使って、合理的に業務を進めていきましょう。
⑦日報の情報を蓄積・集計・分析して活用する
日報に上がってきた情報は随時、蓄積・集計・分析して業務に活用していきましょう。
特に営業のヨミ(受注見込み金額)管理に、日報は大切なツールです。
顧客情報も会社の財産になります。
ほったらかしにせず、日報のデータを抽出していきましょう。
これらの書き方と管理術を行えば、業績は確実に上がりやすくなります。
しかし、「これを全部やるのは大変そう」と思われる人もいらっしゃるかもしれませんね。
そんな方には、これらをまとめて一気に解決できる営業日報アプリやツールの活用をオススメします。
次の章でアプリやツールを使うメリットをご説明致します。
アプリやツールを活用すれば、営業活動の効率が飛躍的にアップする!
さらに効率良く営業日報を管理するには、アプリやツールを使うのもオススメです。
手書きやエクセル日報にありがちな問題点をまとめて解決できるからです。
アプリやツールを使うメリットを具体的に見ていきましょう。
【日報管理をアプリやツールで行う5つのメリット】
アプリやツールを使うと、以下のようなメリットが得られます。
①ムダな残業が減る
携帯やノートパソコンからいつでもどこでも、スキマ時間に日報を作成できるので、日報のために会社に戻る必要がなくなり、ムダな残業を減らせます。
日報のフォーマットが決まっていたり、プルダウンで項目を選ぶだけだったりと、作成・提出作業がラクになるスタイルも多くあります。
もちろん管理するマネージャー側の作業・承認やコメント、日報の一元管理も携帯でできます。
②進捗や所在地がリアルタイムで分かり、指示出しが的確にできるようになる
アプリやツールを使えばリアルタイムで進捗が確認できるので、マネージャーは的確な指示出しがしやすくなります。
またGPS機能でリアルタイムにメンバーのいる場所や得意先の所在地が分かるものもあり、営業活動の実態が見えやすく、展開の幅も広がります。
嘘の日報を書かれる心配もなくなります。
③SNS機能で、メンバーのヤル気が向上する
日報の共有もアプリやツールを使えばリアルタイムで行え、ラクラクです。SNS機能やいいね!機能があるものも多く、メンバー間のコミュニケーションが活発になり、日報の提出率が高まったり、仕事に対するモチベーションが上がります。
④日報からデータの蓄積・集計・分析ができる
日報に入力されたデータを蓄積・集計・分析することができるアプリやツールも多くあり、営業戦略にダイレクトに活かせます。
作業的にも1回の入力で様々な管理表やレポートになるので、転記の手間が省けます。
中には日報の行動表から読み取り、交通費の計算まで自動で行うものもあります。
⑤業績向上のスピードが早くなる
アプリやツールを使うことで効率良く、スピード感を持ってPDCAサイクルを回せるようになり実績を上げやすくなります。
以上のことから、アプリやツールを使う方とより仕事の効率が上がると言えるでしょう。
最近のアプリ・ツールはIT初心者にも使いやすい画面で、無料から始められるものも多くあります。
それそれ得意技があるので、業務の目的にあったものを選び、実際に試してみることをおススメします。
まとめ
以上、業績が上がる営業日報のアプリ・ツールの紹介と営業日報の書き方や管理術のポイントでした。
まとめると以下の通りです。
- 日報は「業績を上げるため」と「人材育成のため」の大切なツール
- 日報の問題点を把握・改善すれば、日報の活用は上手くいく
- 日報の目的をメンバーに伝える
- 日報以前に事業プランをたて、スケジュール化する
- 日報は読んだらリアクションし、失敗報告は怒らない
- 日報は長文型を止め、箇条書き等、時間がかかららないスタイルにする
- 日報は外出先でも書けるようにシステムやアプリ・ツールを使う
- 日報の情報は蓄積・集計・分析して、活用する
- アプリ・ツールを使うと効率がより飛躍的に上がる!
日報をフル活用して、業績を着実に増やしていきましょう!
監修 横溝 龍太郎