「保険営業の戦略は何に気を付けて考えればいいか分からない...」
「保険業界の営業管理で必須なのはどんな項目?」
保険業界を取り巻く状況は非常に大きく変化しており、特に営業活動では様々なことに配慮をする必要があります。特にコロナ禍の影響がほぼなくなりつつある昨今、個人宅訪問の数も増えつつあるのが現状です。
本記事では以下について解説しています。
その中で、保険代理店や保険会社がとるべき営業戦略や管理手法に何があるか、また管理する際に特に気を付けるべきポイントは何かについて解説しています。
1.保険営業の営業戦略で気を付けたいこと
①様々な業界からの競合参入
近年、保険業界には従来の保険会社に加えて、フィンテックやテクノロジー企業など、他業種からの参入が増加しています。これにより、従来の保険市場の競争が激化し、新たなサービスやプロダクトが提供される状況となっています。
競合参入に対する対応策として、保険会社は第一に、市場動向を常に把握し、競合他社のサービスやプロダクトに対する情報収集を強化することが重要です。また、差別化と特徴を持った独自のサービスや商品を提供し、顧客に対して付加価値を提供することで、競合他社との差別化を図ることが必要です。
さらに、顧客のニーズに合わせたカスタマイズされたサービスの提供や、顧客との信頼関係の構築を強化することが競合参入に対抗する手段となります。
②変化・多様化する保険商品への対応、理解
保険業界では、顧客のニーズや市場環境の変化に伴い、多様な保険商品が提供されています。これには、従来の定期保険から、投資型保険、健康保険、個人向けのカスタマイズ保険などが含まれます。これらの多様な商品に対応し、理解することが、保険営業の成功につながります。
保険営業者は、常に保険商品の最新情報を把握するために学習し、トレーニングを受けることが重要です。商品の特長や適用条件、メリットを理解し、顧客に適切な提案を行うことで信頼を築きます。
また、顧客のニーズを把握するために、コミュニケーションを重視し、積極的に質問し、フィードバックを受け入れる姿勢が必要です。さらに、競合他社の動向や市場トレンドを常に監視し、新しい保険商品を自社の提案に取り入れる柔軟性を持つことが重要です。
これにより、顧客の多様なニーズに適切に対応し、競争力のある営業戦略を構築することができます。
③販売方法の種類の増加
デジタルテクノロジーの進化により、保険商品を対面営業だけでなくオンラインやモバイルを通じて販売する方法が増えました。顧客は自宅やスマートフォンを通じて保険商品にアクセスし、簡単に申し込むことが可能となりました。
保険営業では、デジタル化に積極的に対応し、オンラインプラットフォームを活用して新たな販売チャネルを提供する必要があります。ウェブサイトやモバイルアプリを充実させ、顧客が保険商品を簡単に閲覧し、比較・購入できる環境を整えることが重要です。
また、デジタルマーケティングやSNSを活用し、ターゲット顧客に効果的な情報発信を行い、顧客とのコミュニケーションを強化することも必要です。デジタルな販売チャネルを活用することで、顧客の利便性向上や多様なニーズに対応することが可能となり、競争力を高めることができます。
④営業アタック先の選定
法人と個人の顧客は異なるニーズを持ちます。営業戦略を立てる際には、ターゲットとなる顧客層を適切に選定することが重要です。法人向けと個人向けのニーズに適した提案やサービスを行うことが求められます。
法人の場合
法人向けの保険営業においては、企業のリスクマネジメントや従業員の福利厚生ニーズに応えることが重要です。綿密なリサーチとニーズの把握、適切な提案が求められます。信頼性と専門性をアピールし、信頼関係を築くことが成功の基盤です。
具体的なアタック先は、企業の業種や規模、業務内容によって異なりますが、怪我リスクの高い産業や成長産業、特定の業界団体などが潜在的なクライアントとして挙げられます。また、既存顧客のリニューアルやクロスセルも重要です。
法人向けの保険営業では、顧客は企業であるため、意思決定は複数の担当者が関与します。顧客のニーズを正確に把握し、契約条件や提案を適切に調整する必要があります。また、契約内容が複雑な場合が多いため、専門的な知識が求められます。顧客の要望に応じたカスタマイズが重要です。
個人の場合
個人向けの保険営業のアタック方法は、顧客の個別ニーズを理解し、信頼関係を築くことが重要です。カスタマイズされた提案と親身なサポートを通じて、顧客に最適な保険商品を提供し、長期的なパートナーシップを築くことが目標です。
具体的なアタック先は、保険に対する関心が高いターゲット層に焦点を当てます。若年層へのアプローチでは、ライフイベントに応じた保障が必要なことを伝え、将来の目標達成に寄り添う商品を提案します。中高年層では、リタイアメントや老後の不安を解消する商品を提示し、安心のサポートをアピールします。
個人向け営業では、顧客一人ひとりに寄り添いながら情報収集を行うようにしましょう。個人情報の保護とプライバシーへの配慮が必要であり、法令や倫理を厳守することが不可欠です。また、顧客のニーズに対して過剰なプッシュは避け、誠実なコミュニケーションを心掛けることが信頼構築に繋がります。
2.保険の営業管理でするべきことは?
①行動管理
行動管理は、営業担当者が日々どのような活動を行っているかを把握し、効果的な営業活動を確保するための管理手法です。これにより、営業の成果向上や課題の把握が可能となります。
具体的な指標としては、顧客訪問数、提案数、成約数、新規顧客獲得数などがあります。これらのデータを収集し分析することで、営業活動の効果を評価します。
行動管理では、正確なデータの収集と分析が不可欠です。営業担当者が活動内容を正確に報告し、データの信頼性を確保する必要があります。そのため、単なる数値の記録だけでなく、行動の背景や対応内容なども記述することで、分析がより有効になります。
また、成果の向上に繋げるためには、データをもとに改善策を立案し、営業担当者とコミュニケーションを図ることも大切です。目標に対して進捗を確認し、必要に応じて調整を行うことが成功への鍵となります。
②顧客管理
顧客管理とは、顧客の基本情報(氏名、連絡先など)や保険契約内容、コミュニケーション履歴などをデータベース化して一元管理することで、顧客に対するサービスを最適化し、顧客の満足度を向上させる仕組みです。
顧客管理の指標には、顧客の契約状況、クレームの数と対応、保険商品の利用状況などがあります。また、顧客からの問い合わせへの対応速度や問題解決までの期間も重要な指標となります。
顧客情報はプライバシーに関わる重要なデータであるため、適切な情報管理とセキュリティ対策が必要です。また、顧客のニーズや要望を把握するために、定期的なフォローアップやアンケート調査を行い、顧客の声に真摯に対応する姿勢が大切です。顧客とのコミュニケーションを通じて信頼関係を築き、長期的な顧客ロイヤルティを確立することが成功の鍵となります。
③スケジュール管理
スケジュール管理は営業活動を効果的に進めるための重要な要素です。これは営業担当者が日程を整理・計画し、効率的な行動を促進するプロセスであり、適切なタイミングで顧客訪問や商談を行うことで、効果的な営業活動を実現します。
具体的な指標としては、予定・実績の比較を行い、予定した行動が実際にどれだけ達成されたかを評価します。また、未スケジュールの割合を把握し、スケジュール未設定の活動がどれくらい残っているかを確認します。顧客訪問の密度も見て、顧客の地理的な近さや業種別訪問の割合を考慮し、効率的な移動や集中的な訪問が行われているかを把握します。
ただし、注意点もあります。急な変更やトラブルにも迅速に対応できるよう、柔軟性を持ったスケジュール管理が求められます。重要な商談や優先すべきタスクを明確にし、適切な時間を割り当てることも重要です。また、顧客訪問や業務外の時間も考慮し、業務とプライベートのバランスを保ちながらスケジュールを組み立てることが必要です。
④KPI管理
KPI(キーパフォーマンスインジケーター)管理は、営業の目標達成やパフォーマンス評価に用いる重要な手法です。営業チームや個人の成果を定量的に測定し、効果的な経営判断や戦略立案に活用します。
具体的な指標としては、営業成約率、新規顧客獲得数、契約更新率、売上目標達成率などが挙げられます。ただし、選定する指標は業界や企業の目標に合わせ、バランスの取れたものを選ぶ必要があります。
また、KPIの設定や計測においては、公平性や目標の達成可能性を考慮し、チームメンバーとのコミュニケーションを大切にすることが重要です。成果を改善するためにKPIの評価結果を適切にフィードバックし、モチベーション向上にも配慮しましょう。
3.保険の営業管理を成功させるコツ
行動量の目標を設定し、評価する
営業担当者に対して達成すべき行動の数量目標を定め、それを達成したかどうかを評価するようにしましょう。行動量の向上は営業成績に直結し、営業活動の効率や成果を向上させることができます。
具体的な指標としては、営業活動における様々な行動をカウントすることが考えられます。例えば、顧客訪問回数、電話やメールでのコンタクト回数、新規見込み客へのアプローチ回数などが挙げられます。これらの行動を定量的に計測し、目標数値を設定します。
行動量の目標を設定する際には、達成可能な目標を設定することが重要です。現実的な目標を設けないと、営業担当者のモチベーション低下や達成感の欠如につながる可能性があります。また、単に数値追求に走るのではなく、質の高い行動を重視することも大切です。定量的な指標だけでなく、顧客満足度や顧客のニーズに対する応答など、質的な評価も取り入れることが効果的です。
各目標の遷移率を調べる
各目標の遷移率を調べることは、営業活動の進捗状況を把握し、営業成績を向上させるための重要な手法です。具体的には、リードから見込み客、見込み客から商談、商談から契約といった段階での成約率を計算し、営業活動がどの段階で失注しているかを把握します。
具体的な指標としては、リードから見込み客へのコンバージョン率、見込み客から商談へのコンバージョン率、商談から契約へのコンバージョン率などがあります。これらの率を計測し、改善点を特定します。
遷移率を正確に把握するためには、適切なデータの収集と分析が必要です。データの品質や入力ミスによる誤った分析を防ぐためにも、システムやプロセスの改善にも配慮が必要です。また、遷移率だけを見るのではなく、その背後にある理由や課題を把握し、適切な対策を立てることが重要です。営業チームと連携し、共通の目標を持つことも成功のポイントです。
リアルタイムにアドバイスを送る
営業活動中に営業担当者に対して即座に適切なアドバイスや指示を提供するよう心掛けましょう。営業担当者が効果的な営業活動を行い、目標達成に向けて迅速な対応が可能となります。
アドバイスは具体的で実践的なものでなければならず、営業担当者が直接行動に移せるような指示が重要です。さらに、リアルタイムのアドバイスは大切ですが、営業担当者の裁量や判断を尊重することも大切であり、過度な干渉はモチベーション低下に繋がる可能性があります。
また、リアルタイムのコミュニケーションにおいては、個人情報や機密情報の取り扱いに十分な注意が必要であり、セキュリティ対策を徹底して実施することが重要です。
ITツールの導入を検討する
ITツールの導入を検討するとは、保険営業の業務を効率化・最適化し、デジタル化を進めることを指します。これにより、営業担当者の生産性向上や顧客管理の改善、データ分析による戦略立案が可能となります。
具体的な内容としては、CRM(顧客関係管理)システムの導入、営業支援アプリの活用、顧客データの統合と分析、オンライン商談やビデオ会議ツールの活用、デジタルマーケティングの導入などがあります。
注意点として、ツールの選定には自社の業務ニーズに合ったものを選ぶことが重要です。導入前に徹底的な調査・検討を行い、社内のスタッフへのトレーニングや導入後の運用体制を整える必要があります。また、セキュリティ対策も万全に行い、個人情報の保護を確保することが重要です。
4.保険営業の管理におすすめの営業支援アプリ「cyzen」
保険の営業管理ではさまざまな情報を整理する必要がありますが、アプリを使って効率化できたらかなり楽になりますよね。
営業支援アプリとして一般的に使われているのは、SFA(英解行支援システム)やCRM(顧客関係管理)と呼ばれるアプリです。
SFAやCRMの機能としては、営業スタッフの進捗をリアルタイムで一覧にする、顧客情報を共有する、活動報告をする、といったものがあります。
しかしSFAやCRMには以下のようなデメリットがあります。
- ・データ入力の手間が営業スタッフの負担になる
- ・営業スタッフの動きがイメージしづらい
- ・商談や移動にかかる時間など時間の使い方がわかりにくい
レッドフォックス社のスマホアプリ「cyzen(サイゼン)」は、こうしたデメリットをカバーできる営業支援アプリです。
cyzenの主な機能
報告もスマホで楽々
従来のSFAではパソコンを使ってテキスト入力しないと報告ができないことが多く、その手間が営業スタッフの負担になっていました。
一方、cyzenではスマホのタップ操作や音声入力で簡単に報告できるので、営業スタッフの負担を大幅に軽くすることが可能です。
勤怠管理もアプリで簡単
cyzenには勤怠管理機能があり、いちいち会社に行かなくても勤怠打刻ができるので、新型コロナウイルスの感染リスクを減らすワークスタイルを実現することが可能です。
また、月あたりの残業時間や勤務間のインターバルも表示できます。
営業先や営業スタッフの動きを地図上で可視化
cyzenに顧客情報を登録すると、登録済みの顧客情報を地図に表示させることができます。
営業スタッフは地図アプリを開いたり紙の地図を持ち歩いたりしなくても営業先に行くことができ、顧客情報も簡単に閲覧できます。
営業スタッフの動きは地図上で可視化されるので、どんな時間の使い方をしていたかも簡単に伝えられます。
まとめ
保険の営業において、デジタル化が進む中で様々な課題に直面しています。増収であっても費用の増加や収益の圧迫が続くなど、経営状況は厳しい状況です。これに加えて、コロナ禍をきっかけにしたデジタル戦略の進展が求められています。現状では対面営業が中心であり、DX(デジタル・トランスフォーメーション)には至っていないものの、デジタル化を進める動きは続いています。
保険営業の営業戦略においては、競合参入、多様化する保険商品への対応、販売方法の増加、営業アタック先の選定などに気を付ける必要があります。個人向けの保険営業では、顧客ニーズを把握し、効果的なアタック方法を模索することが重要です。営業管理では、行動量の目標設定と評価、目標の遷移率調査、リアルタイムなアドバイス、ITツールの導入を検討することが成功のコツとされています。
デジタル化を推進する中で、保険営業においてもITツールの導入が重要です。営業支援アプリを活用することで効率化が可能となります。しかし、適切なツールの選定とトレーニング、セキュリティ対策の徹底が必要です。これらの取り組みにより、保険営業の進化と顧客満足の向上を実現できるでしょう。