営業活動の最終的な目的は、顧客との「契約」=「クロージング」です。
クロージングに結びつけるには、魅力的なサービス、商品があれば簡単ですが、そうではない場合、営業担当のクロージングテクニックにかかってきます。
クロージングには、
*顧客の疑問を解消する
*購入の意思を確認する
*契約を締結する
というステップがあり、この要所要所で担当者のスキルが問われるのです。
今回は営業獲得率を飛躍的に引きあげる10のクロージングテクニックを紹介します。
INDEX
テストクロージング
テストクロージングは、初心者のような営業に苦戦している人ほど向いているテクニックです。テストクロージングというのは「段階的にクロージングを行う」といったものなので、決して難しいものではありません。
例えばクロージングの過程で、「それではこちらの見積もりで納得いただけるということでしょうか。」「来週までにこちらの書類を送っていただけるということでよろしいでしょうか。」などのようにこまめに顧客に確認と合意を取ることで、クロージングの成約率を上げるというテクニックです。顧客がどのような心理状態か探る手がかりにもなるので、一石二鳥ともいえるテクニックです。
お金の話をする
「お金の話を堂々とするのはちょっと気がひける」という人はたくさんいます。しかし営業というのはものを売って最終的にお金をいただくことが仕事です。成約の決め手になるのもお金なので、お金を扱う仕事といっても過言ではありません。
最初から堂々とお金の話をすれば、顧客も嫌な顔はしないと思います。相手の性格、表情をよく観察したうえで、お金の話を持ち出してみましょう。
受注前提で話を展開する
「もしご契約いただけた場合、こちらの流れで進めさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか。」「仮にご契約いただけた場合、このような金額になりますがよろしいでしょうか。」などのように受注前提で話を進めることで、顧客が契約することをイメージしながら話を聞く流れとなり、クロージングまでスムーズに運ぶことができます。
受注前提で選択肢を与える(どのプランでやるか)
受注前提で顧客に選択肢を与えることも、クロージングに有効なテクニックの1つです。例えば「このような商品があるのですが、良かったら買いませんか?」というのではなく、「○○という商品と△△という商品があるのですが、あなたはどちらの方が好みですか?」のように選択肢を与えることによって、顧客は商品を選ばざるを得なくなりますし、クロージングまで自然な流れでもっていくことができます。
顧客によってはセールストークを嫌う人も少なくありません。そんなときに有効なのがこの「相手に選択肢を与える」というテクニックなのです。
買う気があるか、直接聞く
初心者の営業マンほど、買う気があるか直接聞くのは気がひけると思います。しかし「買うキッカケがない」という顧客はたくさんいます。「あったら便利だけど今欲しいとは思わない」「良いものならお金を出してでも買いたい」というのが本音で、誰かが顧客の背中を押してあげなければ購入意欲は出てきません。だからこそ買う気があるのかどうか直接聞くことで、購入するきっかけ作りをしてあげることが大切です。
また、そのときに「今購入していただければ、キャンペーンの対象となります」といった、購入するメリットを伝えてあげるのもテクニックの1つです。
未来の話をする
顧客がモノを買うのは、それを買うことによってメリットがあるからです。ということはメリットが伝わらなければ購入する気は起きませんし、逆にメリットが分かればお金を出して購入したいと考えるでしょう。それではどうやってメリットを伝えれば良いのでしょうか。
答えは簡単で、「その商品を買ったら、将来どのようなメリットがあるか」というイメージを想像してもらえば良いのです。
例えば「この商品を導入すれば、現在の30%はコスト削減することができます」と伝え、実際のデータを見せます。そうすれば顧客は「これを買えばだいぶメリットがあるな。購入したい。」と考えるはずです。もちろん百発百中でうまくいくわけではありませんが、かなり有効なクロージングテクニックの1つです。
YES!SO THAT法
YES!SO THAT法を直訳すると「そうです。だからこそ〜」という意味になります。商談の中で顧客が「でも〜なんじゃない?」とネガティブな意見をいった時にあなたならどうするでしょうか。おそらくほとんどの方は「確かに〜かもしれません。しかしこの商品は…」のように相手の意見を受け入れつつ商品の魅力を説明すると思います。
YES!SO THAT法がそれと違うのは「その通りです。だからこそ〜」という言い回しをすることで「顧客にはこの商品が必要だ」と思わせることができるのです。ちょっとした言い回しでもクロージングはうまくいくのでぜひお試しください。
決断しない理由をなくす
顧客はモノを購入するとき、「他より高いのでは?」「これより良いものがあるのでは?」「そもそもこの人は信用できる人なのだろうか?」という三つの不安に駆られます。この不安を解消してあげればクロージングの成約率はかなり上がります。
次に不安の解消方法を把握しておきましょう。まず「他より高いのでは?」という不安ですが、シンプルに「他(店)よりも高い場合、値引きをさせていただきます。」と伝えれば「ここが一番安いのか」と考えてもらえるので問題ありません。そして「これより良いものがあるのでは?」という不安に関しては、その商品の「これ以上のものはない」という魅力を伝えてあげれば、「この商品が欲しい」と考えてもらうことができます。そして「この人は信用できるのか?」という不安ですが、自分本位にならず商品の良さを伝え、相手の意見を受け入れることが信頼を得る一番の近道です。
あえて無言の時間を作る
営業をしている人からすると「無言になったら口下手だと思われないか?」などさまざまな不安があるかもしれませんが、実はこの無言の時間がクロージングには必要になります。沈黙を作らないために常に話し続ける人はよくいますが、実はクロージングの観点ではあまりよろしくありません。
例えば途中までうまくいっていたとしても、最後の段階でも話し続けると顧客は考える時間がありません。大切な決断をしようとしている時にぺちゃくちゃと話をされ続けたら、あまり良い気はしませんよね。そうならないように、タイミングを見てあえて無言の時間を作るようにしてみましょう。
ドア・イン・ザ・フェイス
ドア・イン・ザ・フェイスというのは、人間の心理を利用したクロージングテクニックの1つです。最初にあえて課題な提案をして相手に断られた後で、最初から出すつもりだった提案を出して契約をとるテクニックです。
例えば5万円の契約をとりたかった場合、あえて10万円の提案してみます。当然顧客は断りますが、「それでは5万円でいかがでしょうか?」と提案すればどうでしょうか。最初から5万円の提案をするよりもかなりお得感があります。このようにテクニック一つでクロージングを行うこともできるのです。
クロージングは顧客離れを防ぐためにも重要
顧客との契約締結のために必要なクロージングですが、その重要性を知るには、クロージングをしない場合のデメリットを考えてみるとよいでしょう。もし口約束だけでクロージングを行わなければ、顧客の気が変わってしまう、顧客が第3者から意見を吹き込まれ商談が水の泡になるということも考えられます。
また、クロージングを行わず、口約束だけで商談が終わっている場合、言った言わないの水掛け論になり、トラブルの元にもなりかねません。
そのようなことが起きないように、クロージングをする必要があるということになります。
効果的なクロージングをするためには「タイミング」「話し方」「話の内容」がポイント
クロージングを行う相手は一人の人間です。だからこそどのような人にでも対応できる「柔軟さ」が必要になります。そこで大切になるのが「タイミング」「話し方」「話の内容」という3つのポイントです。
例えば相手がせっかちな人だったら単刀直入に商談を持ち込む、怒りっぽい人であれば丁寧かつ親切な話し方をするなど顧客一人一人に適した対応をとることが重要です。
クロージングを行う相手にあわせ、臨機応変に対応を変化させる必要があるのです。
クロージングテクニックを活用して営業効率をあげる
営業から契約締結まで結びつくには、時として、何度も打ち合わせを重ねることもあります。そのため、クロージングテクニックを身につけ、活用することで、契約数をあげられるだけでなく、効率的な営業活動が行えます。
会社の売り上げを担う営業担当は、クロージングテクニックを使って、少しでも多くの締結をとりましょう。