マネージャーという立場は、チームをハンドリングする重要なポジションです。この業務には、適した能力があります。
今回はマネジメント能力を高めるために必要なスキルを紹介します。
INDEX
マネジメント能力とは少ない資源でいかに目的を達成させるかの能力
マネジメントとは、管理するという意味であり、マネジメント能力とは、管理する能力といえます。この能力を企業に落とし込んだ場合、少ない経営資源や限りある人材でいかに企業としての目標を達成するかを意味します。
リーダーシップとの違いは管理する範囲がモノやカネにも及ぶ
マネジメント能力と同じような意味として、リーダーシップという言葉あります。組織やグループにおいて、マネジメントする人物のことを、リーダーと呼ぶため、マネジメントと同義といえます。
リーダーとマネジメントとの違いをしいて言うならば、リーダーであれば人材を率いりますが、マネジメントは人材に加え、モノやカネなどまで管理が及びます。
マネジメント能力が高い人の特徴4選
マネジメント能力を高い人の特徴として、現状分析の力がある、プロジェクトマネジメント力に長けているなどが挙げられます。
現状を分析する力と問題を解決する力に長けている
マネジメント能力が高い人の特徴として、現状を分析する力と、問題を解決する力に長けているという点が挙げられます。この2つに長けている人は洞察力に優れているといえます。いま、自分の周囲でなにが起きているか、部下はどういう状況にいるかなどを察知することで、的確な舵取りができます。
また、組織である以上、目標が設定されているケースがほとんどです。そのような場合でも、マネジメント能力が高ければ、目標実現のために、どうするかをしっかりとメンバーに伝えられます。この目的をうけたうえでの指示出しをスムーズに行うには、ロジカルシンキングが必要になってきます。
ロジカルシンキングとは、現状がどうなっているかを論理的に考え、客観的な視点で思考することを指します。そのため、感覚や感情で物事を推し測るのではなく、さまざまな要因や原因を考慮して判断をくだす必要があります。
期間内で計画的に業務を進めるプロジェクトマネジメント力に長けている
仕事をしているとプロジェクトが発生することがあります。プロジェクトは、いつまでに何をするかが、はっきりと区切られている業務です。
例えば「来月末までに新商品の企画を提出しなければならない」といったように制限時間内に業務を完了させる必要があります。
マネジメント能力が高い人には、このプロジェクトに対するマネジメント力に長けているという特徴があります。
起こり得るリスクマネジメントもしつつ、高品質な成果物を納品できるように道筋を立てていける人が、マネジメント力があるといえます。
リーダーシップと意思決定力に優れている
プロジェクトマネジメント力に通じますが、マネジメント力のある人は、リーダーシップと意思決定力に優れています。例えば想定外のトラブルが発生した際、舵取りをするマネージャーが判断に迷っていては、部下やプロジェクトチームメンバーは動揺してしまいます。
この動揺は、上司への不安感や仕事へのモチベーション低下に繋がってしまいます。反面、上司が揺らぐことのない意思決定力をもって、メンバーに指針を示せば、各自安心して仕事に取り組めますし、働きやすい環境を作れます。
コミュニケーションスキルに長けている
部下の能力を最大限に引き出すことをコーチングといいます。このコーチングは、上司が部下に指示出しをして引き出すのではなく、部下本来がもつ可能性や得意な能力を引き出すことです。
この能力に長けている人は、コミュニケーションスキルにも長けています。
マネジメント能力を高める4つの手段
マネジメント能力が高い人の特徴がわかったので、次はマネジメント能力を高めるために必要な4つの手段を紹介します。
現状の分析力と問題解決力を高めるには3つの視点をもつ
現状を冷静に分析する能力と、問題に対処する能力は、「ディズニーストラテジー」という3つの視点から鍛えられます。
ドリーマーの視点は長期的な戦略を語る
ドリーマー、つまり夢想家という視点で長期的な戦略を周囲に伝えます。「夢の物語」と思われるような内容でもかまいません。あくまで、現実的な視点ではなく、夢を語るという視点でることが大切です。
リアリストとして現実をみつめる
ドリーマーとしての視点で挙げた「夢」を実現するには、どのような手順で進めればよいかを、現実的な視点で考えましょう。
クリティックとしてより夢の現実に近づける
クリティック(批評家)として、客観的な視点から夢の実現に立ちはだかる障害や問題を洗い出しましょう。
リアリストよりも、一歩下がった視点で夢を分析することが大切です。
プロジェクトマネジメントを高めるには「ポジションチェンジ」の思考を活用する
プロジェクトマネジメントを高めるには、自社の視点だけでなく、顧客の視点に立つことで、優先すべきことが見えてきます。これを「ポジションチェンジ」といいます。
例えば、自社としては納品日ギリギリの納品でも問題はないのに対して、顧客としては前倒しで納品してもらい、検品、チェックバックの時間を取りたいと考えていることもあります。
一度、ポジションチェンジの思考で、相手が望むことを思考してみましょう。
また、このポジションチェンジが活用できるのは対顧客だけではありません。対上司、対部下でも成り立つ思考法なので、さまざまな場面で応用が可能です。
見る場所によって物事は変わるということを理解しておく
ポジションチェンジは見る場所によって、物事が変わっていくということを意味しています。これを「知覚地位」と呼びます。たとえば、円柱は、真横からみれば四角に映りますが、上から見ると丸、角度をつけて見ると円柱に見えます。
このように視点が変わることで、それまで気づかなかった情報に触れられます。
ポジションチェンジの思考を実行する場合は、相手の立場に立って情報を得たら、再度自分の立場から業務を見つめなおしましょう。そうすることで、本当に必要な情報なのか、不要な情報なのかが精査できます。
リーダーシップと意思決定力を高めるにはチームのスケジュールを把握しておく
リーダーシップと意思決定力を向上させるには、チームのスケジュールを把握しておく必要があります。常にメンバーを引っ張るべきであるリーダーは、都度適切な指示を出さなければなりません。そうすることで、行動を先読みできますし、起こりうるミスやアクシデントも予想がつきます。ある程度の予想がついていれば、実際にことが起きた際でも、動揺せずに意思決定を下せます。
コーチング力を高めるには日頃のコミュニケーションから
コーチング力を高めるためには、日頃のコミュニケーションが欠かせません。
ただ会話をするだけでも、効果はありますが、より効果的な会話方法を覚えておきましょう。
ペーシングで相手に安心感を与える
ペーシングとは相手に合わせるコミュニケーションスキルです。例えば、話すスピードや声のトーン、使う言葉を相手によって変えることで、相手の緊張も和らぎます。
以下がペーシングの例として挙げられます。
*相手と同じ速さで話す
*共通の話題について話す(趣味、スポーツなど)
*相手の使った言葉を再度使う
ノンバーバル・コミュニケーションで話しやすい状況を作る
コミュニケーションは、言葉によって伝えるバーバル・コミュニケーションと
言葉以外で伝えるノンバーバル・コミュニケーションがあります。ノンバーバル・コミュニケーションの場合、身振り手振りといったボディランゲージがあります。
例えば、部下から質問をされて、パソコンに目を向けたまま返事していては、相手としても質問しづらいでしょう。
反対に、体勢を相手に向ける、身振り手振りを交えて会話すると、相手も会話しやすい雰囲気が作り出せます。
アクノレッジメントで相手を認める
アクノレッジメントとは、相手の存在を認めることや、相手に起きた変化や成長に気づき、言葉として伝える方法です。こうすることで、相手に存在承認を与え、信頼感につながります。存在承認といってもさほど難しいものではありません。以下のような行動で、相手に信頼感を抱いてもらえます。
*挨拶をする
*名前を呼ぶ
*相手が話したいことを聞く
*労う
*髪型や服装といった変化に気づき伝える
いますぐはじめられるトレーニングでマネジメント能力を高めよう
マネジメント能力を高めるには、相手との会話を意識することや、ディズニーストラテジーで現実を理解すること、ロジカルシンキングを身につけることなど、いますぐはじめられるものもあります。日頃の業務の段階からこれらを意識してマネジメント能力を高めましょう。