これさえ読めばできる!営業戦略の立て方6つのポイント

これさえ読めばできる!営業戦略の立て方6つのポイント

売り上げをあげたい、シェアを拡大したい場合、企業は営業戦略を立てる必要があります。この戦略はただ漠然と立てるのではなく、具体的に立てていかなければなりません。
今回は営業戦略の概念や立て方、役立つ分析方法などを紹介します。

営業戦略とは利益目標をあげるうえで欠かせない計画

企業である以上、売り上げ確保やシェア拡大など、常に利益目標を求めていく必要があります。この目標を達成するために欠かせないのが、営業戦略です。

営業戦術は営業戦略を達成するための手段

営業戦略に近しい言葉に、営業戦術があります。営業戦術とは、営業戦略を構成するひとつの要素で、どのように戦略を達成するかを決める道筋といえます。
例えば、とある飲食店が新規顧客を5%増加させたいとした場合、この5%増加させるというのは営業戦略であり、その目標に達するための手はずとして、チラシを配布したり、SNSで宣伝したりということが、営業戦術にあたります。

営業戦略の立て方と進め方

営業戦略は思いつきで、何%売り上げをあげようといったように決められるわけではありません。まずその目標が達成可能かどうかという見込みを予想する必要があります。

1. 中長期的なビジョンを目標として立てる

営業戦略を立てるうえでの最初のステップが、自社の中長期的なビジョンを明確にしてそれを営業目標とすることです。

営業目標とは、数年後における会社の売り上げや粗利率、顧客人数といった各数値です。これらを数字として明確にしておかなければ、会社としてどのようにして成長していくか不明瞭なまま進んでしまいます。

目標をたてたらKPIを設定する

営業目標が確立されたら、KPIを設定する必要があります。KPIとは「Key Performance Indicator」の頭文字をとったもので、「重要業績評価指標」と日本語では言われています。

例えば「新規の営業先を10件開拓する」という営業目標に対して「100社に営業電話をかける」というのがKPIにあたります。つまり、設定した目標を達成するための中間指標といえます。

2. マーケット状況を把握する

目標を明確にした後に、戦略を立てるためにマーケットの状況を把握しましょう。例えば、自社が主戦場とする市場が、競争過多のレッドオーシャンか、あるいは競争のないブルーオーシャンなのかで、練るべき戦略が変わってきます。

このような市場状況に加えて、市場が活況なのかどうかで戦略の指針は変わってきます。

3. 見込み客獲得のための能動的な営業を身につける

自社の製品やサービスを購入する可能性がある企業(法人)が、見込み客にあたります。見込み客は受動的な営業活動では、増えることはありません。自社のサービスや製品の魅力を、能動的に発信していき、少しでも興味を持ってもらう必要があります。

4. 見込み客を育成するには顧客ニーズを把握する

見込み客は、あくまで自社の製品やサービスを購入する「可能性がある」段階です。そのため、製品やサービスを宣伝したからといって、必ずしも売り上げにつながるわけではありません。

見込み客をより本当の顧客に近づけるためには、相手のニーズや抱えている課題などを探り、そこに自社の製品やサービスを差し込む必要があります。

電話でニーズを探る際は声のトーンや共感を意識

電話で見込み客のニーズを探る際は、声のトーンに注意しましょう。一般的に営業電話では、声のトーンを上げる傾向にありますが、先方の担当者は、幾度となく営業電話を受けています。あまりにも営業然としたトーンでは、飽き飽きされかねません。電話で、見込み客のニーズを探る際は、自然なトーンで電話をすることが望ましいです。

また、相手が抱える課題やニーズに対しては、共感する姿勢を示しましょう。そうすることで相手も話しやすくなります。

5.契約締結の鍵を握るクロージング

クロージングとは顧客との契約が締結することを指します。クロージングは、企業が新規顧客を獲得するうえで、重要なフェーズでありながらも、ないがしろになりがちな点です。

例えば、クロージングをせずに、「確認して後日ご連絡します」といったように、具体的な返答を聞かずにいると、時間が経過したことで契約に消極的になることや、他社と比較した結果、契約を見送られてしまうといった弊害が生まれてしまいます。

クロージングを確実に行うには自社製品を導入するメリットを具体的にしておく

クロージングのテクニックとして
*購入する気があるか単刀直入に尋ねる
*段階的に質問と合意を繰り返すテストクロージングを行う
といったものが挙げられます。特に効果的なのが、自社製品を導入することでのメリットや効果を明確に伝えることです。
「導入することで売り上げが上がります」では、メリットが曖昧です。「導入した企業のうち○社が○%以上売り上げをあげています」といったように、具体的に紹介することが大切です。

6. 顧客を維持するためには攻めの営業が必要

見込み客から、本当の顧客になったとしても、ただ売買をすればいいだけではありません。実際に使用してみて課題が解決されたか、改善すべき点があるかなどを探る、攻めの営業が必要になります。

従来型の問い合わせがきたら対応するという守りの営業では、次の契約や新たなビジネスチャンスも逃してしまいます。

顧客維持のためにはカスタマーサポートではなくカスタマーサクセスを意識する

カスタマーサポートは一般的ですが、最近ではカスタマーサクセスも注目されています。この新たな営業体制は、定額サービス(サブスクリプションサービス)が普及したことで知られはじめました。
サブスクリプションサービスの場合、定額制でサービスを提供するため、解約は企業にとって打撃になります。そのため、顧客に継続する利点を伝えることが大切なのです。そこで生まれたのがカスタマーサクセスです。

カスタマーサポートは、顧客の不満や不安を受けてその解消に努めますが、カスタマーサクセスは、サービス提供企業からユーザーの利用状況や感想などを聞き出し、次のビジネスチャンスにつなげます。

戦術の立て方

営業戦略の流れが把握できたら、次に講じるべきは、営業戦術を立てることです。

1. 目的に見合った戦術を立てる

営業戦術を立てる際は、目的に見合ったものを設定する必要があります。例えば、高所得層向けのレストランをオープンした際に多くの顧客を獲得しようとした場合、チラシを一般家庭が多い地域にポスティングしても効果は見込めません。

営業戦術は目的に見合ったものを立ててこそ効果的です。

2. PDCAサイクルを回して戦術をブラッシュアップしていく

営業戦術が立案できたら、PDCAサイクルに当てはめ、回していきましょう。
PDCAサイクルとは「Plan」「Do」「Check」「Action」それぞれの頭文字をとったものです。それぞれ「計画」「実行」「評価」「改善」を意味しており、このサイクルを通すことで、当初計画した営業戦術をブラッシュアップできます。

営業戦略 / 戦術立案の際に覚えておきたい分析方法

3. 3C分析でマーケットの状況を確認する

3C分析とは「Customer」(市場・顧客)、「Company」(自社)、「Competitor」(競合)という、Cからはじまる3つを分析して、事業計画やマーケティング戦略を練る方法です。

この3つの関係は「戦略的三角関係」と呼ばれています。

市場・顧客はマクロとミクロの視点から分析する

昨今のマーケットは、顧客視点で進んでいる傾向があるため、まずは市場・顧客の分析からはじめます。分析する際は、マクロ分析とミクロ分析という2つの方法でアプローチしていきます。

マクロ分析の場合は、大きな視野で分析することで、PEST分析が大枠として用いられます。PEST分析とは、
*Politics(政治):政治動向、税制、法改正など
*Economy(経済):消費や景気動向、金利状況など
*Society(社会):トレンド、消費者志向の変容など
*Technology(技術):インフラ、IT化など
という4つの大きな外的要因を分析する方法です。これらの要因は自社でどうすることもできないものですが、自社にどう影響するかを事前に把握しておくことで、来たる時代に合った戦略を打ち立てられます。

一方、ミクロ分析は、他の業界や業種が自社のビジネスに与える影響を分析することです。ミクロ分析においては、5フォース分析が用いられます。
5フォースとは、
*新規参入企業の脅威
*既存の競合他社の脅威
*代替品の脅威
*買い手交渉力
*売り手交渉力
という5つの外的・内的要因を指します。
この5つを分析することで、競合とのパワーバランスや関係性を洗い出し、自社の収益性を高められます。

なお、5フォース分析は、新規参入の際のリサーチにも役立てられます。

競合の分析は他社の結果と要因という2軸を確認する

競合の分析では、他社の売り上げや従業員数、市場シェアや、製品 / サービスの強みと弱みを導き出します。この際は、他社のビジネスにおける「結果」とその「要因」を軸に分析を行うとよいでしょう。

「結果」とは、読んで字のごとく、競合の売り上げや利益率、市場シェアなどを指します。一方「要因」は、競合が結果を出せた理由を探っていきます。例えば、販路や営業体制、新製品開発など、競合の結果につながった要因を多角的に確認しましょう。

自社の分析は市場・顧客・競合の分析結果をもとに行う

市場・顧客に加えて、競合他社の分析を行なった結果を受けて、自社の分析を行いましょう。市場の変化とそれに対する他社の変化を自社と比較して、自社についての認識を深めていきます。

4. 3C分析と合わせて行いたいSWOT分析

SWOT分析とは、競合や法律、市場の流れといった外的要因と自社の資産、ブランドとしての魅力、価格や品質といった内的要因を、プラス面、マイナス面にわけて分析する方法です。SWOTとは、
*Strength 強み (内的要因)
*Weakness 弱み (内的要因)
*Opportunity 機会(外的要因)
*Treat 脅威(外的要因)

の頭文字をとったもので、この分析を行うことで、戦略を作成しやすくなるほか、経営の最適化などが見込めます。

機会と脅威という外的要因はPEST分析を活用して見つけ出す

機会、脅威という外的要因は、マクロ分析で用いたPEST分析を応用することで見つけ出すことができます。
また、業界全体の収益に影響がある要因には5フォース分析を活用します。

強みと弱みという内的要因は外的要因も加味する

内的要因である、強みと弱みは、主観で判断するのではなく、外的要因や他社の状況も加味して導き出しましょう。分析すべき項目は主に以下の通りです。
*ブランド力
*インフラ設備
*価格 / 品質
*資源
*立地
*サービス / 技術力
これらの項目における自社の強みと弱みを精査していくことで、営業戦略も立てやすくなります。

クロスSWOTでより効果的な戦略・戦術を立てる

強みと弱み、機会と脅威を掛け合わせて分析することで、より戦略的な計画が立てられます。
それぞれ掛け合わせることで、以下のような結果が見えてきます。

*機会×強み
自社の強みを機会に活かして成長を目指す

*機会×弱み
弱みを補強して機会に活かせる状態に整える

*脅威×強み
強みを活かし脅威(競合)を避ける

*脅威×弱み
弱みを把握して脅威を避け影響を最小限に抑える

このように、SWOT分析で導き出された結果は、単体で使用するよりも、掛け合わせることでより効果的に働きます。

5. 4P分析でも自社の強みと弱みははかれる

SWOT分析のように自社の弱みと強みをはかる方法として、4P分析があります。これは、「Product」(製品)、「Price」(価格)、「Place」(流通)、「Promotion」(販促)という4つのPの頭文字をとったものです。

4つの項目、それぞれについて他社と比較し、優位な点はあるか、劣っている点はあるかを分析していきます。4C分析が、顧客視点での分析なのに対して、4P分析は企業目線での分析です。そのため、両者を併用することで、顧客視点からでも、企業視点からでも、営業戦略が導き出せます。

各項目で精査すべきポイントは以下の通りです。

*商品・製品
他社よりも顧客ニーズに沿っているか、デザインが優れているか

*価格
収益や他社と競合できる価格かどうか

*流通
店舗の立地、店舗数は他社と比べてどうか

*販売促進
広告が消費者に認知され購買意欲を生むか

6. MECEで漏れのない営業戦術をたてる

MECE(メーシー)とは、「Mutually」(相互)、「Exclusive」(重複せず)、「Collectively」(全体)、「Exhaustive」(漏れない)の頭文字をとった分析法です。

これは営業戦略を立てる上で、漏れも重複もなくわかりやすい状態にする重要な手段です。

例えば、女性向けの商品を作る場合、「OL」「主婦」だけで円グラフを作ると、「OL」であり「主婦」でもある人はいますので、重なりが生まれてしまいますし、「OL」でもなく「主婦」でもない「学生」は漏れてしまいます。

対して、全ての年齢をカバーした表にすれば、重なるところはなくターゲット全体を見通せます。ターゲット全体が見えないとアイディアも限られてきてしまいます。新たな営業戦略を練って、顧客開拓をするのであれば、MECEで、全体像を浮かび上がらせることが大切です。

営業戦略と営業戦術は多角的な視点で分析していく

企業の今後を左右する営業戦略と営業戦術。この2つは、内的要因や外的要因といった多角的な視点から分析していく必要があります。立案までに時間を要しますが、焦らず的確に戦略を立案していきましょう。
また、立案された戦術は、実行してすぐ結果が出るわけではありません。PDCAサイクルに乗せて、成功したポイント、失敗したポイントを洗い出し、より効果的な戦術としていくことも大切です。

横溝 龍太郎 レッドフォックス株式会社 COO

この記事の監修者

横溝 龍太郎 レッドフォックス株式会社 COO

本コラムでは、ビジネスパーソンを「働くを、もっと楽しく」するためのアイディアの情報発信しています。
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