多くのビジネスにおいて、大きな利益を上げるためには、新規顧客よりも既存顧客とどのように接していくかが重要であることは、よく知られています。
この既存顧客の情報をどのようにまとめおくかによって、既存顧客に対するサービスや対応がスムーズになり、結果的に売り上げの向上が狙えます。
今回は、この既存顧客の情報の管理、すなわち顧客管理についてみていきましょう。
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顧客管理とは顧客情報だけでなく相手からのメールやトラブルも含まれる
顧客管理ときくと、顧客の基本情報や重要な担当者の情報、また購買履歴情報などだけをイメージするかもしれません。
しかし、最近では、アプローチメールを送る、相手の質問に答えるといった動的な情報や、会議の議事録・相手から来た質問メール、あるいは苦情やトラブルに関する情報など、その後の顧客の行動に影響することも顧客管理とされます。
売り上げの拡大や利益率の上昇を狙うためには、単なる静的な情報だけでなく、個々の業務に関する動的な情報の管理も必須となってきているのです。これらの細かい設定を可能にするのが、顧客管理システム(CRM)といえるでしょう。
今後CRMに求められること
今までの顧客管理は、結局のところ自社の業務にどのような影響を与えるのか、あるいは自社の動きの効率性を高めるためにはどんな情報が必要なのかといった視点で考えられていました。
しかし、現在のビジネスの現場では、自社の対応によって顧客がどう動くかといった、相手の行動を見通すことが出来るような情報管理が可能になってきています。
そのため、CRMは「自社の業務効率改善ツール」から、「顧客との関係を育成するためになくてはならないツール」となってくるでしょう。最終的には、CRMから、顧客のニーズに応えるための情報を得るだけでなく、顧客の潜在需要さえもつかむことが出来るようになるかもしれません。
ニーズに応える「顧客戦略台帳(カルテ)」
顧客ニーズに応えるためには、当然、顧客が何を考えているのか、どういった問題があるのか、何を改善したいのかといったことを理解する必要があります。この理解を助けるツールがまさにCRMなのです。
また、こうした理解に対する分析が、あたかも医者と患者の関係に似ていることから、顧客戦略台帳(カルテ)と呼ばれることもあります。また、ITRが発行する「IT投資動向調査2016」によれば、ビジネスプロセスの可視化・最適化という項目が、非常に注目されています。
最新のCRMである「顧客戦略台帳(カルテ)」を利用することで、ビジネスプロセスをうまく可視化・最適化することが出来れば、顧客に対してのアプローチだけでなく、顧客のニーズにも的確にかつ積極的に応えることが出来るのではないでしょうか。
最新のCRMで提供されているカルテ事例
最新のCRMにおいては、ビジネスプロセスを可視化・最適化するために、様々な情報を管理します。例えば、顧客の基本的な情報だけを抜き取っても、計画・実績推移や市損システムがどのように活用されているのかといった状態、あるいはキーマンや接待履歴、そして顧客対応で最も重要なクレームや苦情に対する情報や対応についての履歴などは最も一般的といえるかもしれません。
他にも、名刺の情報をまとめて、商談順序を確認してみたり、他の案件情報と比較して、どの案件に重点を置くべきかがわかったりといった情報も、CRMから読み取ることも出来ます。
最新CRMを使って利益を挙げた事例
このような最新の仕組みを使って実際に利益を上げた事例を1つ紹介いたします。この会社は、法人向けの福利厚生代行サービスを展開しており、顧客が求めている情報やサービスをいち早くつかむことが出来れば、他社に大きな差を付けることが可能な業界でもあります。
CRMの導入前は、顧客の潜在ニーズをうまく掴むことが出来ず、「お仕着せ営業」や「御用聞き営業」といった形で、非常に非効率な営業を進めてしまっていたといいます。
しかし、CRMを活用することで、まず顧客の話に対してどのような対応をしたかどうかを可視化しました。この対応のため、一人一人の営業マンが違う話をするといったことがなくなり、顧客の信頼を勝ち取っていったといいます。
また、顧客の福利厚生を比較検討することにより、顧客同士の微妙な違いを速やかに把握することで、潜在ニーズをつかんだ商品説明が可能になりました。結果的に、受注件数がなんと3.6倍となったのです。
この例は、CRMの特徴を最大限に営業の現場に活かし結果を上げることに成功しました。このように、単なる情報の管理と見えるCRMですが、その情報を有効に活用し営業の現場に反映させるだけで、売上や利益率を高められる可能性があるのです。
CRMサービスで売上げや利益率をアップさせる
既存顧客にどのようにアプローチするかによって、売上や利益率は大きく変わります。このアプローチの質や精度を高めるためには、何よりも顧客のニーズをつかんでいく必要があるのです。
CRMはこの潜在ニーズを分析できる有用なツールといえ、他社よりも顧客のニーズに応えることが出来るようになるでしょう。顧客ニーズに応え、ビジネスで結果を出すために、ぜひ顧客情報の管理について意識してみてはいかがでしょうか。
顧客管理ツールを詳しく知りたい方は【顧客管理(CRM)とは?プロ推奨システム10選を解説!】をご覧ください。