「SFAとCRMの違いがよくわからない……」
「うちの会社の場合は、SFAとCRMのどっちが向いているのだろう?」
という疑問や迷いを抱いている人も多いのではないでしょうか?
SFAとCRMの違いを端的に表現すると、
「SFA(Sales Force Automation)=営業活動の支援をするツール」
「CRM=顧客関係の管理をするツール」
と言えます。
両者の果たす役割、利用する目的、備えている機能などにも違いがあり、どちらを導入すべきかは、その企業の営業スタイルや抱えている課題によって選択しなければなりません。
そこでこの記事では、SFAとCRMを利用する目的から「どんなことに役立つか」、それぞれの主な機能などを徹底比較します。
さらに、両者がそれぞれどんな企業に向いているのかも提案していきます。
これを読めば、SFAとCRMの違いがよく理解できるはずです。
それを踏まえて、自社に合ったツールはどちらかを正しく判断してください!
1.SFAとCRMの違いとは?
「SFA」「CRM」どちらも「営業支援ツール」の一種です。
この2つに「MA」を加えた3種のツールは、企業の営業活動のどのフェーズで使われるかによって区別されています。
その区別は以下の図のようになっています。
それぞれを簡単に説明すると、
- ①MA(マーケティングオートメーション)
→ 見込み客の獲得から選別までをサポートするツール - ②SFA(セールスフォースオートメーション)
→ 主に、実際の営業活動のスタートから受注・顧客化までをサポートするツール - ③CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)
→ 主に、受注から顧客化以降をサポートするツール
と言えるでしょう。
この記事ではSFAとCRMの違いに焦点を当てたいので、それぞれの違いについて簡単な表にまとめてみました。ここからさらに、SFAとCRMの違いを詳しく説明していきます。
SFAとCRMは重複する部分も多く、両方の用途を兼ねたツールもいろいろあります。
特に顧客情報管理の機能、案件や取引履歴の管理機能を備えているツールは、SFA、CRMともに多くあります。
ただ、同じ顧客情報でも、SFAでは営業マンがよりよい営業活動をして成果を上げるために活用し、CRMでは顧客側のニーズを把握してより適切なアプローチをするために利用されます。
情報管理の目的が、「営業マンや営業チームのため」と「顧客のニーズのため」とで違っているわけです。
1-1 「SFA」でできないこと
SFAは営業活動のスタートから受注・顧客化までをサポートするツールのため、顧客情報を管理したり、メール配信をするなどの機能まで網羅していません。メルマガ・HPアクセス分析・サイト管理など顧客管理に特化した機能には優れていないと言えるでしょう。
SFAは営業活動の管理を徹底したい場合に導入するといいでしょう。
【SFAツールの主な機能】
- 顧客管理
- 案件管理
- 営業行動管理
- スケジュール管理
- 日報作成・管理
- 見積書・請求書作成
- データ分析レポート
SFAの詳しい機能やメリット・デメリットは「SFA(営業支援システム)とは?完全解説!導入から運用までこれを読めばOK!」をご覧ください。
1-2 「CRM」でできないこと
CRMは受注から顧客化以降をサポートするツールのため、営業活動を管理する機能まで網羅していません。勤怠・GPSでの行動履歴・日報・報告書・営業活動の記録や共有・案件の進捗確認など営業管理に特化した機能には優れていないと言えるでしょう。
CRMだけで、営業状況の管理、案件管理、顧客管理の全てを管理していくことは難しいです。
【CRMツールの主な機能】
- 顧客管理・対応履歴管理
- 顧客分析
- プロモーション管理
CRMは顧客の管理を徹底したい場合に導入するといいでしょう。
1-3 SFAとCRMの効果的な連携とは?
営業管理に特化したSFAと、顧客管理に特化したCRM。
この2つのツールを紐付けすることで、情報を統合でき、一括で管理ができるようになります。こうすることで、情報の一括管理による業務効率の改善、効率的な営業活動による売り上げUPが期待できます。
ツールを選ぶ際は、APIで連携することができるツールを選ぶといいでしょう。
これらのツールには様々な種類があります。
ツール毎の詳しい違いについては「SFA(営業支援ツール)の比較決定版厳選10選」をご覧ください。
2.どちらのツールを導入した方がいいのか?
もしSFAとCRM、どちらのツールを導入するか迷ったら、細かい機能で選ぶよりも、導入目的によって選択するといいでしょう。
1章でも説明したように、SFAの目的は「営業マンや営業チームのため」、CRMの場合は「顧客のニーズを把握して優良顧客に育てるためです。
現在あなたの会社が抱えている問題はどちらにあるのかを考え、それを解決できる方を選んでください。
では具体的に、それぞれのツールがどんな企業に向いているのか、詳しく見ていきましょう。
2-1 SFAの導入が有効な企業
SFAは営業活動を支援するツールですので、営業力を強化したい、営業プロセスを効率化したいという企業に向いています。
特に、以下のような課題を抱えている場合は、SFAツールが有効に機能して解決してくれるでしょう。
- 営業マンの人数が多く、行動管理や進捗管理が煩雑
- 営業マン1人が抱える顧客数・案件数が多く、情報の整理が大変
- 営業マン同士での情報共有がうまくできていない
- 見積書などの書類作成や日報など、事務作業に時間を割かれて顧客へのアプローチの時間が削られている
- 営業マンの異動や担当変更が比較的よくあり、個別に引き継ぎしなければならない
- 起業して間もない企業や、新しく立ち上げられたばかりの営業チームで、顧客がまだ少ない
営業活動の効率化を目指している企業は、ぜひSFAの導入を検討してみてください。
2-2 CRMの導入が有効な企業
CRMの最大の目的は顧客管理ですので、顧客に関する膨大な情報を適切に管理したい、共有してより優良な顧客へと育てたいと考えている企業に有効です。
特に、顧客に関して以下のような課題を感じているなら、CRMツールが頼りになります。
- 既存の顧客数が多く、新規顧客の開拓よりも既存顧客へのフォローやアップセルをしていきたい
- 新規顧客のリピート率が低く、アップセルやクロスセルに繋がらない
- 顧客に新商品情報などを一斉送信しているが、レスポンス率があまり上がらない
- 顧客からの注文の電話や要望メールなどは個別に対応していて、一括管理がうまくできていない
特に、顧客情報を多く持っている企業ほど、CRMの特性である、
- 膨大な顧客関係情報の管理
- それをもとにした最適な分析
というメリットを享受できますので、導入をオススメします。
2-3 どちらも必要な企業
現状で、「MA→SFA→CRM」という営業の3フェーズがスムーズに回っている企業なら、SFA、CRMの両方を導入すればさらに営業成果が上がるでしょう。
さらに、以下のような課題も改善が期待できます。
- 3フェーズはうまく回っているが、今以上に効率化していきたい
- 現状では、顧客管理はエクセル、情報共有はチャットというように、複数のツールを使っているため統合したい
営業チームのモチベーションが高く、成果も上がっていて、これからますます業績を伸ばしていこうという企業であれば、SFAとCRMの統合型ツールを導入する価値は十分に期待できるでしょう。
3.まとめ
いかがでしたか?
SFAとCRMについてよく理解できたことと思います。
最後にもう一度、内容をまとめてみましょう。
- 1)SFA・CRMとは?
- SFA=営業活動の支援に特化したツール
- CRM=顧客関係の管理に特化したツール
- 2)SFAとCRM、どちらを導入すべきか?
- 状況により導入すべきツールは異なります。自社の現状と照らし合わせて、適した導入ツールを判断しましょう。
さらに詳しくSFAについて知りたい!という方は
【SFA(営業支援システム)とは?完全解説!導入から運用までこれを読めばOK!】
どのようなSFAツールがあるのか?さまざまなツールを比較して見たい!という方は
【SFA(営業支援ツール)の比較決定版厳選10選】
をご覧ください。