「とにかく営業の売上をアップさせたい!」
「SFA(営業支援システム)導入を検討しているが、どれを選んだらいいのかわからない。」
「過去にSFAやCRM(顧客管理システム)を導入したが、成果に繋がらなかった。」
あなたは今、このようなお悩みをお持ちではありませんか?
どのような売上をアップさせるために、どのようなSFAを選んだらいいのか不安ですよね・・・。
過去に導入してみたけどうまく使いこなせなかった、という方もいるのではないでしょうか?
でも、大丈夫です!
この記事を読めば、
・そもそもSFAとは?なぜ今必要なのか?
・SFA導入を検討する際に気を付けること
・実際にどのようなツールを選べばいいのか?
・SFA導入時、運用時に気を付けること
・売上を上げるために有効なSFAの使い方
・本当に売上が上がるSFAとは?
がすべて分かります!
とにかく売上アップを目指したい中小企業の経営者の方、SFA導入を検討しているが、何から始めればいいのかわからない大企業の担当者の方、必見の記事となっております!
どうぞ最後までお付き合いください。
そもそもSFAとは?
SFAは、日本語では営業支援システムと訳されたりしますが、もともとはSales Force Automation(営業自動化)という意味の単語です。
SFAが生まれた経緯としては、社内業務の効率化が進められていた80年代に、社外に出る営業担当者の業務を効率化するシステムが求められました。1993年に誕生した、米国の「シーベル・システムズ」が最初期のSFA開発企業です。
一昔前はオンプレ型のシステムが一般的でしたが、現在はほぼすべてクラウド型のシステムと言っていいでしょう。
そのため、料金体系としてもパッケージの買い切り型ではなく、サブスクリプション型のSaaS(Software as a Service)モデルが多いです。
iPhoneに代表されるスマホ登場以後、スマホ対応しているツールも多くなっています。
最近では、そもそもスマホのネイティブアプリとして開発されているSFAも現れてきており、特定の業界に特化したSFAも台頭しています。
米国で生まれた概念なので米国産のツールが多かったですが、現在は国産SFAのベンダーも多く登場し、日本に特化したSFAを選ぶことが可能になっています。
SFAで何ができるのか?
SFAで実現できることは多岐に渡りますが、導入後の最終ゴールは
①売上アップ
②顧客拡大
③業務効率化による工数削減
といった成果に繋げることですね。
よくSFAの基本機能として「顧客管理」や「案件管理」などが挙げられますが、これらはあくまで上記の成果に繋げるための手段でしかありません。
上記のような成果を出すためには、正しい戦略判断を行わなければなりません。
そのためには現場の営業活動を可視化して定量データを取得する必要があり、そのために顧客管理や日報作成、案件管理といった機能がついているのです。
SFAにも様々なものがあるので一概には言えませんが、一般的に成果に繋がるSFAとそうでないSFAには以下のような特徴があります。
成果が出るSFA | 成果に繋がりづらいSFA |
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|
1つ言えることは、どんなSFAでも「現場レベルでちゃんと運用が徹底されている」ことでしか成果に繋がらない、ということでしょうか?
現場レベルで使いこなせないSFAは確実に成果に繋がりませんし、逆にどんなSFAでも現場が運用をしっかり行えばある程度成果に繋がります。
SFAで最も重要なことは、機能の豊富さではなく、「運用のしやすさ」であることをまずは覚えましょう。
なぜ今、SFAが必要なのか?
労働生産性が段違いに向上するからです。
帝国データバンクの調査でも、SFAに限らずIT投資をしている企業は生産性が高いという調査結果が出ております。
売上、経常利益率どちらの指標においても、IT投資ありの企業がIT投資なしの企業を上回っています。
日本の1人当たり労働生産性は何十年にも渡って先進国中最下位を続けています。労働人口が減少し続ける日本においては、現状のGDPを”維持”するだけでも1人当たり労働生産性を倍増させる必要があります。
この状況が続いているのは主に2つの原因があり、1つはIT投資の少なさ、2つ目は無駄な業務オペレーションの多さです。
①IT投資の少なさ
日本はこの20年以上ICT投資額が横ばいの状態が続いており、米国と比較するとその差が顕著です。この差は1人あたり労働生産性の差にも現れており、IT投資がいかに重要かがわかります。
②無駄な業務オペレーションが多い
JMACの調査では、日本の営業職は1日の半分以上を書類作成や会議などの非生産的な時間に費やしてしまっています。
これにより、営業職における本業の時間「顧客との商談時間」が圧迫されてしまい、生産性が下がってしまっている現状があります。
SFAを導入することにより、情報共有などのコミュニケーションコストや、進捗報告のための会議などの非生産的な工数が減ります。
これにより、商談や顧客開拓など「本業の時間」に集中することができ、売上アップ、業務効率化などの成果につながるのです。
SFA導入時によくある失敗パターン
実は、SFAを導入しても実際に売上アップなどの成果に繋がった会社は多くありません。
インターネットリサーチによる調査でも、SFA導入により課題が完全に解決されたと答えた企業は全体の17.8%にしか過ぎません。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
4つの理由が考えられます。
①導入目的があいまい
SFAに限らず、ITツールを導入する際は、目的が明確でないと必ず失敗します。
「最近はSFA導入が流行っているから、自社でも入れてみよう!」
「有名なツールで機能も豊富だから、導入したら成果が上がるだろう」
「とりあえずSFAを導入したら、営業活動が効率化して売上がアップするはずだ」
このような考えで導入したSFAは、ほぼ100%失敗するでしょう。
実際に、SFA導入企業に対する調査では、SFA導入後満足していない点について、「機能が多すぎて使いきれない」「導入後の業務フローの想定が不十分」などが理由として挙げられています。
※SFA導入に関するアンケート調査(2019年 1st Penguin株式会社)
SFAを導入する際は、
・何のためにSFAを導入するのか?
・そのために必要な機能は何か?
・自社の営業パーソンが使いこなせるのか?
をしっかりと把握してからツール選定をすべきです。
②現場が使ってくれない
これもよくあるパターンですね。
「大きな期待を持ってシステムを導入したはいいが、1か月後には誰もログインしてない」というのは、よく聞く王道失敗パターンです。
実際にSFA/CRMの導入が日本よりはるかに進んでいるアメリカにおける調査でも、「ユーザーが使ってくれない」という原因で導入が失敗したケースは非常に多いです。
一度SFAやCRMの導入失敗を経験した方ならご存知かと思いますが、現場が正しく使ってくれないツールはどんなに機能が豊富でも何の役にも立ちません。
日本では、中小企業の場合は社長や役員層、大企業の場合は情報システム部や経営企画部がシステム導入の決裁権を持っていることもあり、現場から離れたところでシステム導入が決定されがちです。
そうなると、現場の声が反映されないままシステムが選定されてしまい、結果として現場の負担になるようなシステムが導入されることが非常に多いです。
③運用コストが高い
ここでいう運用コストとは、単純にツールの費用ということではなく、内部工数(データ入力する時間や、設定・運用変更などの時間)がかかってしまうということを意味します。
運用に手間がかかるツールを入れて、内部工数が1人30分増えるとすると、例えば100人でそのツールを運用した場合、
100人×0.5時間×2,400円(日本のビジネスパーソンの平均時給)=120,000円
実質1日あたり10万円のコストが増えるということになってしまいます。
1か月にすると、
12万円×20営業日=240万円/月
のコストアップになってしまい、ライセンス費用として払った分より高い金額ということになりかねません。
内部工数が増えるということは、その分機会損失も生まれているということですので、実際のコスト増はもっと大きいものになります。
せっかく売上をアップさせるためにSFAを導入したのに、かえってコストが増えてしまっているのでは目も当てられませんね・・・。
④成果に繋がらない
SFA導入時の最大の問題点ですね。
売上や利益をアップするためにSFAを導入したのに、それが実現されないというのは本末転倒ですね。
ですが、残念ながらSFAを導入しても成果に繋がらなかった事例は意外と多く、世の中的にもSFAをうまく活用できていないことが分かります。
デロイトが行った調査では、実に85%の営業組織がSFA導入後に売上拡大ができていない、という調査結果になっています。(※デロイトトーマツナレッジ)
「SFAを頑張って使いこなすこと」が業務になっていませんか?
SFAはあくまで本業の営業活動の効率化を手助けするものであり、導入して売上アップに繋がらないのであれば、導入した意味がありません。
以降の章で詳しく説明いたしますが、まずツール選定時に導入した際の効果やKPIを試算すべきですし、運用時も決めたKPIを達成するように運用を進めるべきです。
どのようなSFAを選ぶべきなのか
クラウド型は基本中の基本
現在、ほとんどのSFAはクラウド型です。
自社内でシステムやインフラを構築して運用するオンプレミス型に比べ、クラウド型には大きな利点があるので世の中の主流になっています。
今後もこの流れは変わらず、クラウド型の利用が加速していくでしょう。
・クラウド型SFAとオンプレミス型SFAの比較
クラウド型 | オンプレミス型 | |
コスト | 利用料のみを支払えばいいので運用コストが低い | サーバーやシステム構築に莫大な初期費用が掛かり、インフラ管理や維持にもコストがかかる |
機能 | サービス事業者側がシステムを自動アップデートし、常に最新の機能が提供される | 最初に要件定義した機能しか使えず、新しい機能が必要になると別途開発が必須 |
セキュリティ | 常に一定のレベルが保証され、自動でアップデートされる | 自社基準でセキュリティを高めることはできるが、常にアップデートが必要 |
運用 | システム担当者は必要だが、専門のエンジニアや部署は不要 | システムを維持するための専門部署と多くのエンジニアが必要 |
新たにSFAを導入する際や、SFAのリプレイスを検討されている場合は、クラウド型を前提にしてツール選定を行いましょう。
SFAはあくまで「本業の営業活動の支援」のために使うものです。
そのためのシステム構築に何か月、何年も時間をかけることは無駄であり、手軽に導入と運用ができるクラウド型SFAを選ぶのが得策です。
どのような事業をしている企業でも、自社の競合優位性が生まれない分野への投資は最小限にするべきです。
SFAベンダー以外は「SFAシステムの構築自体に時間やお金をかけること」で競合優位性は生まれません。
「自社の業務に合ったシステムをどう作ろうか」という視点ではなく、「自社の営業課題を解決できそうなツールはどれか」という観点でツールを選び、素早く導入することで営業活動の機会損失を最小限に抑えるのが良いでしょう。
スマホ”最適”なSFAを選びましょう!
日々忙しい現場の営業パーソンにとって、営業活動が終了した後にパソコンでデータ入力するという業務フローは非常に大変です。
営業活動の合間や、訪問直後にスマホでパパっと簡単に報告ができるSFAが求められます。
最近はスマホ対応しているSFAも多くなってきていますが、スマホ対応と謳っていても実際はパソコンで使うことが前提のシステムも多いです。
スマホアプリが頻繁に落ちたり、動作速度が遅かったりすると現場では非常にストレスが溜まるので、導入前に必ず操作感を確認しましょう。
スマホ対応をしているツールであれば、実際にアプリが動いている様子をベンダーに見せてもらうのが一番早いです。
現場の営業パーソンが「使いたい!」となるツールがベスト
実際にSFAを使うのは、情報システム部や管理職ではなく、現場の営業パーソンです。
SFAで成果を出すためには、とにかく現場が使いやすいことが重要。
現場がSFAを使いたくなる条件は3つあり、
操作が簡単で、ストレスフリーに使えて、成果に繋がることが重要です。
①スマホで簡単に使える
スマホアプリ対応のSFAを導入したのに、アプリの起動が遅かったり、更新時間が長かったりすると、現場では非常にストレスフルです。
消費者向けアプリでは、アプリを立ち上げてからロードするまでに1秒かかると30%のユーザーが使うことを止め、3秒かかると80%が使わなくなると言われております。
業務用のアプリでも同じことが言えるでしょう。
日々忙しい営業パーソンに、「商談が終わった後にパソコンでSFAに商談履歴を残せ!」というのは論外です。
営業報告はスマホで簡単に終わらせるのが令和の働き方です。
②操作が簡単
現場の営業パーソンは毎日商談やアポ取り、クライアントの調査などを行っており、とても忙しい職業です。
忙しい現場において、操作が複雑で難しいSFAを導入しても誰も使ってくれなくなることは自明でしょう。
現場からすれば、とにかく、「使いたいときにすぐ使えること」が重要です。
ツール選定の際に実際にアプリやwebページが動いている様子を、デモ動画ではなくその場で見せてもらうのがいいでしょう。
③成果に繋がる
最も重要な要素です。
管理職からすればSFAを導入して自社の営業活動を可視化し、定量分析を行いたいというニーズがあるかもしれませんが、現場目線とは大きく乖離があります。
営業パーソンにとって唯一重要なことは、「SFAを使うと、自分の営業成績向上に繋がるのか?」という点。
・自分の営業活動が効率化する
・顧客対応以外の雑務の時間が減って本業に集中できる
・無駄な残業が無くなる
など、営業個人レベルで成果に繋がる効果がなければ、現場が「使いたい!」と思うことはないでしょう。
SFA導入の際は、必ず現場目線で考えることが重要です。
いかがでしょうか?どのようなSFAを選ぶべきなのか、特に重要な点をまとめてみました。
次章より、いよいよ本格的にSFAを検討する際に必要な項目を学んでいきます。
SFAを導入する前にチェックすべき7つのポイント
実際にSFAツールを比較検討する前に、チェックしておくべき項目があります。
このチェックリストを明確にしておくことで、ツール選定時に明確な基準を持って選ぶことができます。
自社の状況と照らし合わせて、このチェックリストの項目を埋めていきましょう!
①経営課題と達成のために必要なKPI
②営業組織の課題とボトルネック
③理想的な営業組織の形
④SFA導入後の売上達成目標
⑤予算や必要な端末
⑥運用体制
⑦既存のシステムとの連携やすみ分け
1つずつ詳細に説明していきます。
①経営課題とKPI
SFA導入時の根幹となる部分です。
経営課題からドリルダウンしていき、営業活動における解決すべき項目を特定して、そこに対応したSFAを選びます。
中小企業であれば「売上アップ」が経営課題になることが多いと思いますが、大企業の場合は「生産性向上」や「働き方改革への対応」などが課題になってくることが多いと思います。
課題やKPIの代表例をまとめると、以下のようになります。
課題 | 売上アップ | 生産性向上、働き方改革対応 |
KPI |
アポ取得数 |
総業務時間 |
まずは自社の経営課題と、KPIを把握しましょう。
②営業組織の課題
経営課題からさらにドリルダウンして、営業組織の課題を見つけます。
SFAで直接的に解決するのはこの部分になります。
このように、売上の構成要素を細かく分解していき、課題を特定します。
自社の営業活動で特にボトルネックになっている部分(活動量なのか、単価なのか、スキル的な部分なのか)を特定することも重要です。
SFAが得意としている課題である場合は、SFAの導入を検討しましょう。
逆にSFAで解決困難な課題である場合は、他の手段を検討します。
(例えば商品単価が安くて収益性が悪い場合は、単価をアップさせるという経営判断が必要になるでしょう。)
SFAによる課題解決が得意な分野と苦手な分野を一覧でまとめましたのでご参考にしてください。
SFAが得意な分野 | SFAが苦手な分野 |
|
|
③理想的な営業組織の形
これもSFAを導入するのなら決めておくべきです。
自社の営業組織の現状から、どのような組織を目指すのかを定め、理想の組織構築の手段としてSFAを運用するとスムーズです。
日本でパフォーマンスの高い営業組織はほぼ3パターンに集約されますが、あなたの会社はどの組織を目指しますか?
たしかにどの組織もパフォーマンスが高いですが、令和の時代では「自走型」営業組織を目指すのが良いでしょう。
昨今の働き方改革やコンプライアンス遵守の流れもあり、パワハラまがいの管理方法で営業組織をマネジメントするのは難しいでしょう。
フルコミ型は商材の特性によるところが大きいので、1から組織を構築するのは大変です。
一般的には働きやすさと成果を両立しやすい「自走型」組織が理想です。
④SFA導入後の売上達成目標
SFA導入後の売上目標を設定することで、「SFAでどういった営業課題を解決し、どれくらいの効果が見込めるか」を共通認識として持つことができます。
大企業であれば稟議を上げて決裁者を説得する際にも必ず必要になる項目です。ROI(投資対効果)と言い換えることもできるでしょう。
実際にSFAのベンダーと話す際にもより具体的な話ができるので、自社で目標を設定しておくことは重要です。
例:「売上をアップしたい」と漠然とした要望をベンダーに投げるより、「来季の売上目標は昨対比110%、現在の1人当たり訪問件数は月間100件、受注率が15%だが、まずは訪問件数を120件に増やしたい」などと、具体的な要望を交えてベンダーと話す方が、より具体的にイメージができる。
⑤予算や必要な端末
予算によって初期費用やランニング費用の上限が決まってくるので、把握しておく必要があります。
また、来期の導入に向けて動いている場合は予算化して枠を確保しておく必要があるので、ベンダーに見積を依頼しましょう。
その際は例えば1年間の総費用(イニシャルでかかる初期設定費用+ランニングの費用)に関して、どれくらいの成果(売上アップ、残業などのコスト減)が見込めるのかを計算し、ROI(費用対効果)を出しておくことで社内手続きもスムーズに進みます。
また、SFAの利用に必要な端末(ノートPC、スマホなど)が、利用予定の人員に行き届いているかも重要です。
営業パーソンが現場利用することを考えると、SFAはスマホでの利用が前提となるので、スマホ端末の準備は必須です。
利用人数が多くなればなるほどスマホ導入にも時間がかかるので、SFA導入希望時期から逆算してスマホ導入も進めなければいけませんね。
⑥運用体制
どのようなSFAを導入しても、必ずシステム管理者として1人以上の専任担当者が必要になります。
誰もシステムを管理する人がいないのにSFAを導入しても、うまく運用することはできません。
SFAでは運用を軌道に乗せようと思った場合、エンジニアレベルのITリテラシーが求めらるものも多くあります。そのような人材が社内にいるかどうかも把握しておく必要があるでしょう。
SFAのシステム管理者としては、主に以下のような業務を行います。
- 顧客情報(アタックリスト、既存顧客など)のSFAへの登録
- 業務報告用フォーマット、レポート機能などの初期設定
- 使い方を社内向けに説明、マニュアル作成
- 社内での運用促進
- 成果測定&運用方法の変更検討
SFAはあくまで運用して、成果を上げることが目的です。
運用自体に大きなコスト(内部工数や追加投資)がかかるSFAは、「使い始めること」で半年~1年以上も準備が必要になる可能性があるので、社内体制をしっかりチェックしておきましょう。
⑦既存のシステムとの連携やすみ分け
SFAに限らず新規でITシステムを導入する際は、既存のシステムとの関係も重要になってきます。
あまり深く考えずにただシステムをどんどん追加して導入していくと、現場の負担やシステムの維持コストが増大していきます。
現場で使うツールの数はできるだけ少ない方が良いので、営業のオペレーションに関してはSFAに集約できるかどうか、という視点も必要になってきます。
主にチェックすることとしては、下記のような項目になります。
- 既存システムとの連携は必要か?不要か?
- 必要な場合、リアルタイム性は必要か?→必要であればAPI連携、不要であればファイル連携(csvなど)
- 連携する際は個別開発は必要か?
- SFA以外に使用しているツールはいくつあるか?
- SFAに統合することが可能なツールはどれか?
- 異なるツールに同じデータを入れるといった二重入力が発生していないか?
ベンダーによっては個別の連携開発に対応できるところもありますが、基本的に個別開発が必要になった場合は導入までのリードタイムが何か月から下手したら何年になることもありますし、別途開発費用が必要になります。
安易に連携できるからといって、時間とお金を投資する判断をするかは十分検討する必要があります。
いかがでしょうか?
この7つのチェックリストを頭に置きながら、自社の営業組織にSFAを導入する場合のシミュレーションに活かしてください。
次章から、いよいよ実際にベンダーから話を聞いて、ツールを選定する際に気を付けるべきポイントをご紹介します。
実際にツールを選ぼう!選定時に気を付ける3つのポイント
前の章までで、SFA導入前に気を付けるべきことが明確になりましたね。
いよいよ実際にツールを選ぶ段階になった際は、ツールベンダーにコンタクトを取ったり資料請求をしてみて、検討する段階になります。
ベンダーから提案を受けて、ツールを検討する際に重要なポイントを3つまとめましたので、1つずつ解説していきます。
①ツールを使用して業務を行うイメージができるか?
ベンダーの営業トークのイメージだけで、ツールを選んでいませんか?
それは非常に危険です。
ここまで記事をお読みになった方であれば、目的を明確化しないとSFA導入に失敗することが分かっていると思います。
SFAを導入して1日の業務フローがどう効率化するのか?具体的にイメージできるレベルまでしっかりベンダーと社内でヒアリングを行いましょう。
ツール選定を行う部署と、実際に日々ツールを使う部署が異なる場合、必ず実際に使う部署の担当者レベルで使いこなせるかどうかを検討すべきです。
また、SFAに業務報告のような形で情報を入力していく際は、できるだけ人間の意志によるバイアスが入らないような情報にすべきです。
理想はチェックボタンや、ラジオボタンによる選択式で、フリーコメントのような自由記入欄は多くするべきではありません。
営業組織として把握すべき情報と、現場の入力負荷を考えつつ過不足なく情報を収集するようにしたいです。
SFAへの入力項目 |
NGな例 |
OKな例 |
BANT情報 | 予算、決裁者などについてフリーコメントで入力 | ○、△、✕ などで選択式 |
商談時間 | 数字入力 | 0-15分、15-30分、30分以上 などで選択式 |
所感 | フリーコメント | 情報を集めたい項目がある場合は、細かく項目を分ける ・申し送り事項 ・競合 ・提案後の回答 etc |
選択式やチェック式で入力可能な情報は、自由入力ではなくすべて選択式などにしてしまうことで、集計して分析することも容易ですし、個人の意思によるバイアスや先入観などを極力排除して正しいデータ入力をすることができます。
また、自由記入式の業務報告にしてしまうと、スマホ対応したSFAでも入力に時間がかかってしまいます。
選択式にしてしまえば、スマホのタップなどで報告が完了するので、現場の負担も減ります。
②機能の○×表でツールを選んでいないか?
「機能が多い」ことと、「実際に業務で使って成果が出せるか」は全く別問題であることをまずご理解してください。
SFAはそもそも多機能なツールなので、機能の○×表を作ろうと思ったら、数百個の○を書くことは容易いです。
また、個別開発対応のベンダーからすればすべて「○(※ただし開発が必要)」と言えてしまいます。
ですので、○×表を作ることに意味はなく、ツールの機能として実現可能なことが、自社の営業活動の課題解決にどれだけ役立つか?という視点でツールを選ぶことが重要です。
自社の営業活動における課題の中で、「解決することが売上アップに繋がる」クリティカルな課題を特定し、それを解決できる機能やサービスがあるSFAを選びましょう。
※売上アップに繋がる課題と、SFAでの解決例
課題の種類 | SFAによる解決例 |
行動量(商談数、訪問件数)が少ない |
|
営業スキルが低い |
|
エンゲージメントが低い |
|
あくまでこれらの課題は一例ですが、あれもこれもすべて実現可能なSFAはありません。
自社の営業課題の中で絶対に解決しなければいけないことを明確にし、その課題の解決を最も最短で実現できるSFAを選びましょう。
③達成したい売上目標に対して、逆算して提案を受けているか?
SFAを導入する目的は、売上アップですよね?
ということは、達成すべき売上目標を設定し、そこに対して何%SFAが貢献するのか、という目標値を設定すべきです。
本当にユーザーの売上をアップさせたいベンダーであれば、必ずそのような提案をしてくるはずです。
売上目標だけではあまりにもざっくりとしているので、そこから分解してSFAで解決すべき目標を決め、その達成率なども見ながら運用を進めていくべきです。
以上3点に気を付けてベンダーを選べば、SFAを導入して成果を出すことができる可能性が高まります。
さらに、次の章ではSFAを選ぶ際についしてしまいがちな勘違いポイントをまとめています。こちらも参考にして、自社に最適なSFAを選びましょう!
SFAを選ぶ際によくある勘違い・・・
SFAを選ぶ際に、一般的には良いと思われていても、実はとんでもない問題を引き起こしかねない勘違いがあります!
一般的には良いと思われているが、実は危険な勘違いを、特別に5つご紹介いたします。
ツール選定の際はくれぐれもこの5ポイントに注意してください。
勘違い①:豊富な機能が搭載されている
SFAは機能が豊富なものが多く、あれもできる、これもできる、こんなに素晴らしい機能がある、とアピールされることは多いです。
そういった話を聞くと、何でもできる夢のようなツールだ、と思うかも知れません。
ここに落とし穴ポイントがあります!
😱落とし穴①:何でもできる=最初の設計と運用が大変
何でもできるということは、使い方や設定をあなたの会社に委ねますよ、ということとほぼ同義です。
社内に、営業活動のオペレーションや課題感、目標達成のための手法にも詳しく、かつITリテラシーの高いエンジニアがいれば、どのようなツールを入れても問題ないかも知れません。
しかしそのような人材は果たして存在するのでしょうか?
そもそも世の中には、「SFAツールの設定代行だけを行うコンサルティングサービス」も多いです。SFAも設定出来て、営業活動にも詳しい人材がいかに貴重かお分かりいただけると思います。
見た目のライセンス費用がそこまでではなくても、初期設定代行や運用コンサルタントを入れると、結局月額数百~数千万円のランニング費用になることもあります。
自社でSFAの設計や運用を担当できる人材がいないのであれば、なるべく設定や運用が簡単なツールを選ぶべきです。
勘違い②:様々なツールと連携できる
最近は会社に導入されているITツールの種類も多く、様々なツールと連携できることは一見魅力的ですよね。
SFAとしても豊富な外部ツールと連携できることを売りにしているものもあります。
😱落とし穴②:そもそも、現場が使うツールは少ない方が良い
よく考えてみれば、当たり前ですよね。普段の業務を行うだけなのに、いくつもITツールを利用しなければいけないのは現場にとってはかなり負担です。
最近は気軽に使用できるSaaS(Software as a Service)も増えてきているので、現場で使うツールが多くなりがちですが、本当にそのツールは必要か?という観点でもう一度見直してみるべきです。
現場の営業パーソンからすれば、SFAは普段最も多く接するツールのはずなので、日々の業務に必要不可欠なコミュニケーション(社内SNS)や、日報作成といった機能がついているものを選ぶべきでしょう。
情報システム部がない中小企業の場合は、そもそも使うツールを減らしていく、もしくはデータ入力するツールを1つにして、極力現場の負担を減らすようにしていくべきでしょう。
勘違い③:自社専用にカスタマイズを細かく対応してくれる
クラウド型のサービスでも、自社専用にカスタマイズ対応をしてくれるベンダーもあります。一見自社の業務に最適なSFAを作ってくれるようで、よく聞こえますが、本当にそうでしょうか?
😱落とし穴③:「要件定義」できますか?
あなたは「要件定義」をすることができますか?
まず「要件定義」という言葉を聞いたことがない、という方はNGです。カスタマイズは絶対にすべきではありません。
一般的にシステム開発は以下のフローで行われます。
要件定義→設計→開発→テスト
このうち、設計~テストまではベンダー側が対応してくれますが、肝心の要件定義は自社で行う必要があります。システム開発においてもっとも重要な部分を、システム開発のスペシャリストではない、自社で担当しなければいけないのです。
要件定義ぐらい知っているよ!という方でも、「自社の営業活動の生産性がアップするような業務フロー」を構築するための「要件定義」をすることができるでしょうか?
要件定義は、「何となく自社の営業活動でやりたい要望」をベンダーに伝えることではありません!ベンダーはSFA開発のスペシャリストではありますが、あなたの会社の業務のスペシャリストではありません。
■要件と要望の違い
要件 | 要望 |
やりたいことをどうすれば実現できるか?という解決策まで含んだもの | やりたいこと |
SFAをカスタマイズするということは、そのSFAで実現可能なことを把握しつつ、自社の営業活動に必要な機能をベンダーに提案しなければいけない、ということです。
一般の事業会社ではこの過程が難しいので、カスタマイズすることはお勧めしません。
勘違い④:今の業務フローに最適なツールを選ぶ
普通に考えれば、何が問題なの?と思うかもしれません。
しかし、今の業務フローにそのままSFAを当てはめるのは、実は危険なことなのです。
😱落とし穴④:今の業務フローは、本当に最善ですか?
実は、既存の業務フローに無駄があることは多いです。日々何となくこなしているフローも、新鮮な目で見てみると無駄なフローが行われてしまっていることがあります。
例:
毎日営業会議があり、そのための資料作成が必要
月次の報告の際に膨大なデータを集計し、グラフ化しなければいけない
営業訪問後、詳細な報告書を作り、提出しなければいけない
上記のような例でそのままSFAを導入しようとした場合、
・毎日の会議が楽になるように、資料作成が簡単にできるツールが良い
・報告の際のデータ集計やグラフ化を自動で行いたい
・業務報告の際はできるだけ多くの項目を設定できるSFAがいい
というニーズになりがちですが、それで果たして売上が上がるでしょうか?
営業で売上を上げるためには、本質的には「顧客との商談時間」を増やし、「その商談の受注確度」を上げていくことが必要です。
そのためには、無駄な会議や報告を行わないことや、リアルタイムに必要十分な量の情報共有がされていることが必要です。
SFA導入前には、まず自社の営業活動の中で無駄なフローを洗い出し、そこをいかに無くすかということを考えなければいけません。
勘違い⑤:SFAは機能が似ているので、最も安いツールがコスパが良い
確かに一般的なSFAの機能は似通っていることが多いです。業務報告を作る、スケジュール管理する、顧客情報を一元で管理する、などはどのSFAでも実現できるでしょう。
機能が似ているということは、最も安いツールを導入すればいいのでは?と思うかも知れませんが、実は、危険な考えです。
😱落とし穴⑤:安かろう、悪かろうはどんな業界でも・・・
どのような業界でも、価格が安いということは、それだけコストを減らしている、ということです。
ITシステムには原価がそれほどかからない、と思われがちですが、「開発費」や「システム維持費」という原価はきっちりかかっていますし、サポートやコンサルティング対応する人員にも当然コストはかかっております。
サービス価格が安い、ということは開発費を削っているか、サポート体制が十分ではないということです。
逆に、様々なツールが存在するSFA業界の中でもサービス価格が高い、ということは「他社には真似できないそのツール独自の価値」があるということです。
価格を聞いて「高いな」と思っても、その理由をしっかり聞いてみるべきです。他社にはない独自の強みがあり、それが自社の売上アップに貢献するのであれば、ROI(投資対効果)を計算して導入する判断をすべきでしょう。
単純に値段の高い低いでツール導入を判断するのは危険です。
SFA導入!運用開始~軌道に乗るまでにすべきこと
ここまでSFA導入前に必要な準備について書いてきましたが、今度はSFAを導入した後に気を付けるべきことをまとめました。
この章を読んで、SFA導入後に気を付けることを予習しておきましょう。すでにSFAを導入されている方は、今一度自社のSFAの運用方法を見直すきっかけにしてください。
①導入目的とツールの使い方を社内で浸透させる
導入後に最も大事なことは、導入目的と普段の業務フローにおける使い方をしっかり浸透させることです。
人間は、ただツールだけ与えられて「業務で使え!」と言われても、違和感なく使える生き物ではありません。人間は、感情で動く生き物です。
面倒だと思っても、しっかりツールを利用する現場担当者レベルまで「導入目的」をしっかり伝えましょう。
・何の目的のために(why)
・どんなツールを(what)
・どういった使い方で(how)
上記の項目をしっかり説明し、利用マニュアルなども作れば現場営業パーソンもしっかり使い始めてくれるでしょう。
もっともNGなのは「営業パーソンの得にならないシステムを、会社都合で現場に押し付けること」。
これをしてしまうと現場は誰もシステムを使ってくれず、せっかく導入したシステムも無用の長物と化してしまいます。
②SFAをベースとした自然な業務フローを組む
こちらも非常に重要です。
業務フローの中に、自然にSFAを組み込むことで社内の浸透を早めます。
今までの業務フローに、「SFAにデータを入力すること」が加わると業務負荷が増えるだけなので現場にメリットがありません。
業務フローの中に自然に組み込むためには、2パターンのやり方があります。
1.SFAで業務を効率化し、「本業の時間」を増やす
2.そもそもSFAなしでは業務ができないようにする(ワークフローに組み込む)
1番は現場に喜ばれますし、2番は業務中にSFAを使う必然性が生まれます。
このようなフローでSFAを使用することができればベストですね。
③使っている社員をひたすら褒める
どれだけ素晴らしいITツールであっても、ユーザーが使ってくれないとただの置物と化してしまいます。
SFA導入初期に最も重要なのは、いかに早い段階で社内に浸透させるか、ということです。そのためには、本格導入から1か月間が勝負の時期。
最初期に定着しなかったサービスは、ほぼ使われないまま終わってしまいます。
ここで肝心なのは、しっかりユーザーを褒めるということ。
人間は感情で動く生き物ですので、褒められれば誰でも嬉しいですよね。
SFAの利用が会社の成果に繋がるのであれば、どんどん褒めるべきです。
行動分析学の分野では、人間は褒められた行動を繰り返す(=行動を強化する)という習性があることが知られています。
つまり、”SFAを利用していること自体を褒める”ことによって、SFAを習慣的に使う癖付けを行います。
特に60秒以内に褒めることが良い、と言われておりますので、できればリアルタイムに褒めるのがいいですね。(※出典)
どういうタイミングで褒めればいいか?
不自然に毎日SFA使ってて偉いね!と急に褒めても意味はないでしょう。
SFAを使う上で、違和感のないタイミングで褒めるのが重要です。
具体的には、商談報告や業務報告などが上がってきたタイミングがいいでしょう。
ほとんどのSFAではこういった業務報告を書く機能がありますし、クラウドでリアルタイムに共有されているはずです。
報告に対してコメントができたり、チャットが搭載されていて気軽にリアルタイムコミュニケーションができるツールだとベストですね。
メールや会議などで一日分をまとめて褒めるより、細かくリアルタイムに褒める方が効果が高いです。
いかがでしょうか?
導入初期に気を付けるべきことが分かったと思います。
次の章からは、本格運用が開始してから成果が出るようになるまでのタイミングで気を付けるべきことをご紹介します。
SFAで成果を出そう!運用時にチェックすべき項目とは?
SFAは、導入した後が本番です!
この章では、実際にSFAを運用する際にチェックすべき項目をまとめました。
運用が軌道に乗り出したら、下記5つの項目を常にチェックしながら、成果に繋げていきましょう。
①現場の営業パーソンの「本業の時間」が増えているか
営業活動における本業の時間とは、顧客との商談時間ですよね。
SFAを導入すると営業パーソンの事務作業の工数は減らせるはずなので、必ず本業の時間を増やすことができるはずです。
SFAとして一日の時間の使い方(商談時間、移動時間、作業時間など)を記録できる機能があれば、そちらで各営業パーソンの時間の使い方を分析してもいいですし、それが難しいのであれば社員アンケートなどを実施してもいいでしょう。
※このように雑務が減って商談時間が増えるのがベスト
時間として記録するのが難しければ、「商談数」や「訪問件数」の数をSFA導入前と導入後で比較してみるのもいいと思います。
SFAは、営業”支援”システムなので、万が一「本業の時間」を増やせていない場合は運用方法を変更する必要があるでしょう。
②導入前に比べて、現場で無駄なフローが発生していないか
こちらも非常に重要です。
業務フローを効率化するためにSFAを導入するのに、無駄な業務フローが増えていては本末転倒です。
SFAを現場社員が使いこなせるようにするための説明会などを導入初期に行うのはいいですが、それを毎月何回も何回も行っていては問題ですね。
また、商談情報をSFAに登録しているのに、その進捗管理をするためのミーティングを新たに開いていてはあまり意味がありません。
SFAの管理者は導入前より工数が増えることは当然ですが、現場の工数が増えていてはSFAを導入した意味がありません。
③導入前に決めたKPIは達成できているか
SFAを導入前に、伸ばすべき営業活動のKPIを決めているはずですね。
直接的な指標
・売上
・粗利
・コスト(人件費=業務工数)
分解した指標
・訪問件数
・商談時間
・獲得アポ数
・新規顧客発見数
・商談数(新規・既存)
・商談からの受注率
・顧客単価
etc...
このうち、SFA導入して伸ばそう!と決めたKPIがしっかり向上しているかどうかを定期的にウォッチすることが重要です。
計画通りKPIが進捗していればそのまま運用を続ければいいですし、逆にKPIが思ったより伸び悩んでいる場合は、現場のオペレーションに何か問題が起こっていないか、そもそも伸ばすべきKPIが間違っていなかったかを振り返る必要があるでしょう。
営業活動は最終的に売上や粗利をアップさせていくことがゴールになりますが、売上や粗利は日々の行動が積み重なった結果に過ぎません。
売上向上に最も効果のある指標を特定し、そのKPIをアップさせるように行動改善を積み重ねましょう。
④SFAが成果に繋がったステキ事例を見つけて、横展開する
SFAを適切に運用すれば営業活動が効率化するはずなので、確実に成果に繋がります。
実際にSFAが成果に繋がった事例を横展開することで、「SFAを使えば、実際に成果が出るんだ!自分もちゃんと使ってみよう。」という気持ちを営業パーソンに起こさせます。
営業パーソン自身が、自ら他の部署に積極的に発信するのは難しいので、SFAの担当者がそういう事例を拾い上げ、しっかりと営業部全体に周知していくことが重要になります。
事例を横展開する場合は、
・どの部署の誰が成果を出したのか
・実際にどのような使い方をして成果が出たのか
・SFAに入力すべき情報は何か
などを明確にして全体に周知しましょう。
⑤同業種の成功事例をベンダーに聞いてみる
成功するためには、同じような環境で成功した人のやり方をまねるのが最も早いです。
そういった意味で、SFAを導入した場合には、同じ業種で同じSFAを使っている人の成功事例を真似するのが一番の近道でしょう。
ベンダーの営業、あるいはカスタマーサクセス担当者などに直接聞くのが最も効率的です。成功事例を聞く際に注意すべきことは、
・同じ業界でSFAを使って売上が上がった事例があるか
・どういったKPIを設定し、どのくらいの期間で達成したのか
・営業組織のオペレーションは自社と類似しているのか
・現場レベルまでの浸透はどう行ったのか
このような質問をすると、自社でも転用できるノウハウを得ることができます。ベンダー側からすれば自社のSFAを使ってクライアントが成功することが最も嬉しいことですので、快く教えてくれるはずです。
逆に、このことを聞いても明確な答えが返ってこない場合や、教えることを渋る場合は、あまり信用できるベンダーとは言えません。
本当に売上がアップするSFAとは?
売上がアップするために必要な要件は、複雑なようで単純です。
「いかに本業の時間=付加価値の高い時間を増やすか?」
これがすべてです。
営業職における「本業の時間」とは、「顧客との商談時間」ですよね。(商談までの準備時間も含みます。)
無駄なオペレーションが多い日本の営業職では、どれだけ付加価値の低い雑務の時間を減らし、売上に直結する顧客との商談に集中するかが重要です。
そのためには、SFAへデータ入力する時間は極力減らさなければなりません。
ということは、パソコンではなくスマホで簡単に報告をできるツールがベストです。
とにかく現場の使いやすさが命
現場に使われない、現場が使うことを嫌がるSFAは、案件管理や顧客管理などの「データ管理」はできても、売上アップや業務効率化といった実際の成果に繋がることは無いでしょう。
最悪の場合、現場の工数が増え、導入前よりも「本業の時間」を圧迫するものになってしまいます。
SFAを導入して成果に繋げるには、とにかく、現場が使いやすい、普段の業務の中で無理なく使えることが重要です。
正しいデータが集まる
SFAに入っているデータ(営業個人個人が持っている営業データ)は自社の営業活動を見直すうえで宝の山となり得ますが、そもそも現場でデータ入力をしてくれない限り、その宝を有効活用することはできません。
世の中にSFAは多くありますが、「現場で正確なデータを取得できる」ことに特化したSFAはほとんど存在しないのが実情です。(ほとんどは、「現場がデータを入れてくれる」ことは前提で、そのデータを使って分析や管理が豊富にできることを謳っています。)
現場の社員は日々忙しいので、「SFAへのデータ入力」という事務作業は極力やりたくないのが実情です。パソコン入力が前提のシステムには誰も入力してくれないでしょう。
ある程度データは自動で取得し、入力するにしても出先ですぐ入力できるレベルじゃないと、まず正しいデータは集まってこないでしょう。
現場の入力負荷を極力下げ、「正しいデータが集まってくる」状態を作ることが重要です。正しいデータが集まってくるので、正確な戦略構築が可能になります。
売上アップ・業務効率化に特化したSFA「cyzen(サイゼン)」
「cyzen(サイゼン)」は、売上アップや残業削減といった成果創出にコミットするSFAです。
SWA(Smart Work Accelerator)というコンセプトを謳っており、マネージャーが管理・分析することが主目的となる従来のSFAと異なり、現場レベルの行動変革を実現することで、「売上アップ」「残業削減」などの成果創出に繋げることを目的として開発されています。
実際にSFAを運用する現場レベルでの使いやすさを重視していることから、スマホ最適化がされており、アプリの動作速度は消費者向けのSNSやゲームアプリと同レベルです。
現場目線で役に立つ機能のみに絞って開発され、圧倒的な動作速度で「現場に支持されるアプリ」となっています。
運用が簡単であるため、現場レベルの正確なデータを集めることができ、正確なデータを取得・分析することができるので正しい戦略立案に繋がります。
cyzenを導入すると、以下のような効果が期待できます。
- 「スマホを見れば営業に必要な情報がすべて手に入る」状態になり、現場の営業パーソンの行動量が増加し、売上アップに繋がる
- 営業活動の進捗状況が完全に可視化されるので、「報告作成や会議」の工数が減り、残業時間が減る
- 日々の報告作業がスマホで数分で解決するため、営業パーソンの負担が軽減される
- cyzen上で日々のフィードバックも行えるので、マネジメントコストが削減する
導入から立ち上げまでに時間がかからないことも特徴で、初期設定は最短1日で終了します。1週間程度あれば運用が立ち上がるので、最短1か月で成果が出ます。
cyzenはあくまで訪問型営業(フィールドセールス)の効率化が目的なので、インサイドセールスでクロージングまですべて行ってしまう営業組織には不向きです。
目安として、1日2件以上訪問営業がある場合には、大きな成果が見込めるでしょう。
また、実際に導入を検討する際は専任のコンサルタントが業務課題などをヒアリングし、各社に最適な運用方法を提案してくれるので、ITリテラシーが高くなくても安心して導入できるのが強みです。
営業活動を効率化して、「売上アップ」「業務効率化」を目指す方は一番に検討すべきツールです。
まとめ
いかがでしょうか?
SFAを導入する際に必要な検討事項、ツール選定時に注意すべきこと、導入後に気を付けるべきことが明確になったかと思います!
現在は多種多様なSFAが存在し、自社に最も合っているものを選ぶことは難しいと思われがちですが、明確な基準を持ってツールを選定すれば迷うことはありません。
・自社の営業組織が解決すべき課題は何か
・そのために達成すべきKPIは何か
・それはSFAで解決できるのか、解決できるとすればどのようなシステムが良いのか
この辺りの基準を明確にしていけば、どのようなSFAを選定すればいいのか見えてくると思います。
是非自社に合ったSFAを選んでいただき、営業活動の効率化、売上向上、利益向上の成果創出をご期待しております。
長文お読みいただき、誠にありがとうございました。