「SFAを導入したのに、現場がほとんどデータ入力をしてくれない・・・」
「SFA導入したけど、売上アップやコスト削減に繋がったのかよく分からない」
「SFA導入を検討しているが、うまく導入プロジェクトを成功させたい」
あなたは今、このようなことでお困りではありませんか?
SFA(Salesforce Automation)は便利なツールですが、導入の目的、導入方法を間違えてしまうと大失敗のプロジェクトになる危険をはらんでいます。
SFAとは?SFAについて詳しく知りたい方は
【SFA(営業支援システム)とは?完全解説!導入から運用までこれを読めばOK!】
をご覧ください。
高額な費用をかけてSFAを購入し、導入プロジェクトチームまで作ってSFAを導入したのに、いざ運用を開始してみると現場が一切使ってくれず、SFA導入プロジェクト自体が無駄な投資になってしまった、ということにもなりかねません。
この記事では、SFA導入が失敗するときによくあるパターンの分析と考察から、導入に失敗しないために注意するべきポイントまで、詳しくお伝えいたします。
- ・SFAの運用がうまくいっておらず、お悩みの方
- ・これから社内にSFA導入を検討されている方
必見の記事となっております。ぜひ最後までお付き合いください!
なぜSFAの導入に失敗する企業が多いのか?
SFAは導入することにより、営業進捗の可視化、部下の営業管理の効率化、案件の機会損失の防止など様々な効果が期待されます。
しかし、SFAを導入しても
「現場の営業パーソンが一切データ入力してくれず、何の意味もなかった」
「初期設定や設定変更が難しく、うまく使いこなせなかった」
といった声はよく聞くのではないでしょうか?
この章では、SFAの導入に失敗する典型的なパターンについて解説します。
1つでも当てはまっていることがありましたら、注意です!
①SFAの導入目的が曖昧で、現場に浸透していない
SFAの導入目的を正確に現場に伝えていますか?
SFA導入を検討する多くのマネージャーは、「今のままではダメだ」「しっかり営業進捗を管理したい」「商談機会の見逃しや抜け漏れを無くしたい」などと考えているかと思います。
まずは、導入目的をしっかり現場に伝えましょう。
現場の営業マンは基本的に管理されることを嫌います。
そのため、本来の目的を曖昧に伝えがちですが、「なぜSFAを使わなければいけないのか?」という部分は隠さず正直に伝えることが必要でしょう。
この正直な目的を元にしたコミュニケーションが無いと、部下と上司、人間同士のコミュニケーションに必須な「信用」と「信頼」が生まれません。
管理を目的にしているのに、そのことを正直に伝えないと、現場から見透かされ混乱に陥りります。
この際の伝え方として、「お前ら現場はサボってるからちゃんと管理するんだ!」という伝え方をしては現場から猛反発されて誰もSFAを使ってくれないでしょう。
(※体育会系の社風なら表面上はうまくいくかも知れませんが、離職率が上がってしまう危険性があります)
大前提として、売上目標を達成するために必要な手段としてSFAを導入するという大目的から説明することが重要ですね。
「管理」することは、あくまで大きな目標達成をするための手段でしかありません。
- ・売上アップのためになぜ管理が必要なのか?
- ・今までの営業手法ではなぜダメなのか?
- ・SFAを入れることでどういった改善が期待されるのか?
このような根本の導入目的を浸透させることが出来ないと、SFAを現場が使いこなすことは難しいでしょう。
②SFAで何を管理するのかが曖昧で盛り込み過ぎになってしまう
次にSFAは便利なツールのため、案件管理、行動管理、売上管理、予定管理など様々なことができます。
ここで「あれもこれも管理したい」とマネージャーは思うことでしょう。そして実際に入力フォーマットが増え、入力項目が増えていきます。
しかし、現場でSFAを利用する営業パーソンの立場から考えると、ただでさえ管理されることが嫌なのに、管理項目が増えることで益々SFAを使うことが面倒になっていくことでしょう。
営業で最も重要な時間は、売り上げをあげるための商談の時間です。
営業パーソンの心理に立てば、その貴重な時間をSFAの入力の手間に取られたく無いはずです。
入力項目を複雑にすると、こんな項目は必要なのか?という営業マンの疑問に対して、設定した本人も目的がわからなくなり、ますます混乱に陥ります。
③システムが複雑で使いこなせない
SFAは基本的に営業部のメンバーが毎日使うツールです。
毎日操作が難しかったり、使いこなすのに時間がかかるツールを果たして現場が毎日使うでしょうか?
よくある失敗パターンとして、あれもしたい、これもしたいという要望を詰め込んで初期設定をしたら、現場が戸惑ってしまい誰も使わなくなったということですね。
そもそも日本の営業は、営業活動の本質的な時間である「商談」に1日の25%しか時間を使えていない、という調査もあります。
このように普段から時間がない現場の営業マンに、更に複雑なSFAシステムへの入力をお願いしても誰も行ってくれないでしょう。
更に最近は、消費者向けなアプリは直感的に使えるものばかりですね。
しかし、業務で使うBtoB向けのシステムは、マニュアルがないと使いこなせないようなものばかりです。
ビジネスパーソンも仕事外では普通の消費者です。
「直感的にITツールを使う」ことに慣れている現代では、「そもそも使いこなすのに時間がかかる」システムは敬遠されることが多いでしょう。
④SFAを使うことで現場にメリットがない
SFAは本来的には、
- ・適切な営業管理を行うことで、パイプライン/受注最大化を狙う
- ・業務フローをデジタル化することで、現場の営業活動を効率化する
という両面の効果があります。
しかし、SFAを選定するのが主にマネージャー、経営層ということもあり、「営業管理」の方に目が行きがちです。
マネージャー側の視点だけでSFAを導入した場合によくあることとして、現場にとってはSFAへのデータ入力が負担にしかならない、ということがあります。
これでは現場が「SFAにデータ入力する時間があったら、1件でも電話かけて商談した方がマシ」という心理状態になってしまいますね。
現場の営業パーソンの心理として、まず第一に持っているモチベーションとしては「売上ノルマを達成すること」です。
SFAを使うことが、このモチベーションの邪魔をするのであれば自然と使う人が減っていくでしょう。
管理だけを目的にSFAを導入しても、現場の共感を得られず失敗してしまうでしょう。
⑤運用を現場に任せきりにする
SFAを利用する主体は現場です。
しかしながら、現場の声をそのまま聞いてSFAの運用や設定に反映するといろいろな問題が起こってきます。
現場は「営業のプロ」ではありますが、「SFA運用のプロ」ではありません。
SFAの運用を現場に任せきりにすると、本来的な導入目的から逸れて運用してしまうことにもなり得ます。
特に、現状の古い非効率な営業スタイルをそのままSFAシステムに移植しても、生産性向上は期待できません。
SFAは多くのことが出来ますが、やりたいことを完璧に再現してくれるシステムではありません。
自社の営業スタイルを大きく変えて、「SFAに合わせて営業プロセスを効率的なものに変更する」ということも時には必要でしょう。
現場の声を聴いているだけではこういったドラスティックな変化を起こすことはなかなか難しく、SFAの運用を現場に任せきりにすると本質的な目的を見失ってしまうことがあります。
いかがでしたか?
ここまでSFAの導入に失敗するパターンについてまとめました。自社で当てはまっている部分がありましたら今すぐに改善することをお勧めします。
次の章からは、逆にSFA導入を成功に導くにはどうすればいいのか、について詳しく説明いたします。
どうすればSFA導入に成功するのか
これまでSFA導入に失敗するパターンについて学んできました。
SFA導入を成功させるのは意外と簡単で、要は上記に挙げた失敗パターンと逆のことをすればいいのです。
以下の5つのポイントが重要になります。1つ1つ説明していきます。
- ①SFA導入目的を明確にして、現場にも浸透させる
- ②SFAで管理すべき項目を必要最小限にする
- ③現場が使いやすいシンプルなシステムを選ぶ
- ④SFAを使うこと=現場のメリット化
- ⑤フィードバックを行いながら、細かく軌道修正する
①SFA導入目的を明確にして、現場にも浸透させる
あなたはSFAを導入して何を達成したいでしょうか?
「とにかく売上目標を達成したい」
「利益重視なので、コスト削減も同時に行いたい」
「新規顧客の受注獲得を増やしたい」
「既存顧客からのアップセル・クロスセルを効率的に行いたい」
様々な観点があると思います。
SFAの導入目的は、大・中・小に分けることによって現場への説明も簡単になります。例えば以下のような形ですね。
大目的 | 中目的 | 小目的 |
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このような形で導入目的を分解していくことで、
- SFAを入れて何を行うべきか?
- どのようなデータが必要なのか?
が明確になります。(上記の場合ですと、全商談のうちの新規の割合、施策別の新規の有効商談数、受注した顧客の従業員数や業種、求めるニーズなどのデータ入力が必要になりますね)
大事なのは、「目的」と「仮説」、そして「SFAへの落とし込み」です。
※例えば・・・
|
このように、SFAの導入目的や、課題解決のための仮説、それらをSFAへ落とし込んで日々のアクションを改善していくことが必要です。
これらのことを、マネージャーや導入チームだけでなく、現場にも浸透させることが重要です。
人間はアクションベースで「how」の指示をされるより、大本である「why」の部分を説明された方がスムーズに行動に移すことが出来ます。
現場に対して
「新規案件が出来たらSFAに登録してください」
「商談フェーズが進んだらちゃんと入力してください」
といった「how」だけの指示を出しても人間はその通りに動かないものです。
「今期の営業部の目標は、新規顧客からの受注金額を増やすこと。なので、新規案件をより多く獲得した人を評価します。SFAに登録した新規案件の数をカウントするので、ちゃんと案件が発生したらSFAに登録し、商談フェーズも入力しましょう!」
このように「why」の部分までしっかり説明することによって、SFAが現場に浸透するようになるでしょう。
②SFAで管理すべき項目を必要最小限にする
SFAのシステム管理者がまず認識すべきは、「SFAへのデータ入力」は現場にとって負荷がかかる作業であること、ということです。
特に日本の営業組織は分業が進んでおらず、SFAが発展している欧米に比べて営業パーソン個人が抱えている業務範囲が広いという特徴があります。
「The model」型組織と、日本の一般的な営業組織の違い
そのため、すべての顧客とのタッチポイントをSFAで管理しようと思うと、「SFAに入力すべきデータ」が膨大になります。
現場の負担が増えると、SFAへの入力率が下がっていきます。
SFAで管理すべき項目は目的に応じて必要最小限にとどめるべきです。
仮に、SFA導入目的が「商談の機会損失を減らすために、案件の抜け漏れを無くしたい」のであれば、「商談フェーズ」「受注確度、金額」などを最低限入力していればokでしょう。
特に導入初期は現場がSFAを使うことに慣れていないので、1つでもSFAにデータ入力をするということを習慣化させていくべきですね。
SFAは運用しながら細かな改善を積み重ねていくものです。
最初から複雑な設定にせず、シンプルにスタートして、現場が慣れてきたら徐々に入力項目を増やしていく、という運用が良いでしょう。
この際、入力項目の変更に時間がかかったり、そもそも設定変更が難しいSFAだと現場でPDCAを回すのが大変です。
SFAを選ぶ際は、「設定変更の簡単さ」も重視すべきでしょう。
③現場が使いやすいシンプルなシステムを選ぶ
これも重要な項目ですね。
ビジネスパーソンではなく一消費者の立場になると、普段触れるITシステムは、ほとんどスマホアプリ経由です。
消費者向けのスマホアプリは直感的な操作が可能で、使いこなすのに時間はかかりません。
一方で、BtoB向けのシステムについて考えると、マニュアルなしでは使えないシステムが未だに多いのではないでしょうか?(エクセルも使い方が知らない人からしたらただのマス目です。)
普段触れているシステムが直感的なものばかりなのに、業務で使うシステムは複雑怪奇なマニュアルが必要となると、誰も使いたがらないのは想像に難くないですね。
SFA導入を検討する際は、まずは現場がシンプルに使えるかどうかを重視しましょう。
機能よりも、使い勝手が第一です。
これと同じくらい重要なこととして、そもそもシステムの動作速度が速いかどうか、ということがあります。
営業パーソンがSFAを使うとしたら、外出先で使うことも多いですよね。外で使うときにアプリのローディング時間が長かったり、立ち上がりが遅いシステムは誰も使ってくれません。
シンプルなUI,UXと同じくらい、動作速度は重要です。
実際に、ベンダーにアプリやパソコンのシステム画面を見せてもらい、操作スピードを導入前に体感しましょう。
デモの段階で「あれ、このシステム思ったより遅いな?」と直感的に感じたら、そういったシステムは導入しないのがベターです。
④SFAを使うこと=現場のメリット化
現場の「管理」だけを目的としてSFAを使うのではなく、SFAを使う=現場で役に立つという部分を一致させるのが、うまく運用をこなす秘訣です。
現場で役に立つとはどういうことでしょうか?
現場の営業パーソンにとってのモチベーションの源泉を考えてみましょう。
「売上ノルマを達成する」
「インセンティブを多くGetする」
「直行直帰で効率的に働く」
など、様々なモチベーションがありますね。
営業として一番基本的なモチベーションは「売上ノルマの達成」ではないでしょうか。
つまり、SFAを使うことが、自分の売上アップに繋がるのであれば自然と営業パーソンがSFAを使うようになります。
SFA運用チームはこのポイントを現場に訴求することが必要です。
- ・SFAにデータ入力すれば報告しなくていいので、商談に集中できる
- ・SFAに商談報告さえ入れてくれれば直行直帰でいい
- ・過去の商談履歴をSFAで確認することで、商談の受注率を上げる
- ・自分の担当案件を一目で可視化し、案件の抜け漏れを無くせる
このようなポイントを現場にもしっかり訴求し、
SFAを使いこなす=効率よく売上を伸ばせる
状態にすることでSFAが浸透していくでしょう。
また、社内でSFAを活用した成功事例(過去の失注商談を掘り起こしたら新規受注に繋がった、案件のフェーズ管理で抜け漏れが無くなった、など)を見つけたら、SFA運用チームが社内に横展開して発信していくことも重要です。
⑤フィードバックを行いながら、細かくPDCAを回す
SFAを初めて導入した会社では、どのような運用が最適かは常に試行錯誤していきながら見つけることになります。
初期設定が終了したら導入プロジェクトは終了、あとは現場の営業部がちゃんとデータを入れてね、というほったらかしにするのはNG。
SFA導入チームは、常に運用を改善していく責任があります。
SFAの運用は、経験者でもない限りトライ&エラーの繰り返しです。営業スタイルは1社1社異なるので、SFA運用に世界共通の最適解というものは存在しないのです。
重要なのは、細かくPDCAを回すこと。
トライ&エラーを繰り返す回数を多くすることで、自社における運用の最適解に繋がります。
導入当初は課題として商談の抜け漏れがあると思ったけど、実際SFAで見てみると営業部はちゃんとタッチポイント管理を行っていた。
商談数は確保できているので、今度は受注率が問題だろうという仮説を立て、営業がアプローチしている企業の属性やアタックしている部署のデータを集めるように運用を変えた。
このように、状況状況に応じてSFAをどう使うか?どのようなデータ入力をしてもらうか?は変わります。
SFAで取得したデータと営業部の状況を常にウォッチしながら、適宜設定や運用を変更していくことが必要でしょう。
この際に重要なのは、SFAの設定変更のしやすさです。
1つの入力項目を変更するのに、情報システム部やベンダーとの連携が不可欠で、1週間も工数がかかるようなシステムではPDCAが回せません。
SFAを導入する際には、現場部署でも設定変更などが容易なものかどうか、あらかじめ管理画面などを操作させてもらうのも重要です。
いかがでしたか?
SFA導入を失敗させないために重要なポイントが理解できたかと思います。
SFAの業種別活用事例で、導入を成功させるポイントを知りたい方は
【【SFAビジネス活用例】「位置情報」を活用したSFAを使ってビジネスを成功させる3つのポイント】
をご覧ください。
最後に、現場に支持される最先端のSFAを紹介します。
こちらも参考に、ぜひSFAツールの選定に役立ててください!
現場に支持される最先端のSFAとは?
ここまでSFAの導入を成功させるために必要なことを説明してきましたが、結局のところSFA導入プロジェクトが成功するかどうかは、「現場でいかに運用が回るか」これに尽きます。
マネージャー視点ではどれだけ素晴らしいシステムでも、現場が使ってくれないシステムは一切導入する意味がありません。
現場に支持されるSFAとして有名なのが、「cyzen(サイゼン)」というシステムです。
今までのPCベースのSFAシステムとは異なり、完全ネイティブアプリとして開発されており、スマホやタブレットといったモバイルデバイスに特化しているのが特徴です。
消費者向けアプリと同じ感覚で使えるので、ITリテラシーがない人でもすぐ使いこなせるのが強み。
「スマホアプリさえあれば営業活動が完結する」状態になります。
- ・アタックリストやスケジュールを地図上に可視化することでスマホが手帳代わりに
- ・地図上で「訪問済み」「未訪問」などのタグを見せることでバッティングを防止
- ・「誰が」「いつ」「どこに行った」などの行動データを全自動で記録しているので、報告作成が簡単
- ・ボタンを押すだけで勤怠管理ができるので直行直帰への変更も可能
- ・チャットがついており、営業活動へのフィードバックは全てアプリ内で完結
など、様々な機能がついており、現場に愛されるSFAとなっています。
導入しているユーザーの声として、
- ・紙の地図や手帳を持ち歩かなくて良くなり、営業が効率化した
- ・訪問件数などの正しいデータを取得でき、PDCAが回せるようになった
- ・新規案件が20%以上増え、受注率増加に繋がった
などが紹介されており、実際に成果に繋がるSFAとして評判のようです。
- ・SFA導入を検討している
- ・今使っているSFAが使い勝手が悪く、更新を検討している
方は、一番に検討すべきツールです!
さらに詳しく他のツールとの検討・比較を行いたい方は【SFA(営業支援ツール)の比較決定版厳選10選】をご覧ください。
まとめ
いかがでしたか?
- SFAの導入に失敗するパターンの分析
- SFA導入に成功するために気を付けるべきポイント
- 現場に愛されるSFA「cyzen(サイゼン)」
について詳しく学ぶことが出来たかと思います。
SFAは導入がゴールではなく、スタートです。
日本ではまだまだSFAの運用に失敗している組織が多いかと思いますが、SFAは正しく運用することで、同業他社と比較して圧倒的な成果を得ることが出来るでしょう。
この記事が、皆様の会社の営業変革の手助けになれば幸いです。